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第2話 驚き×スケッチブック 1
×××
楽しい。
楽しい!
たっのしーい!!
最初はどうなるかと思ったけど。アクア愛を、誰かと共有できるなんて。
かき氷やさんで声を掛けてきた爽やかイケメン店員──岩井さんの仕事終わりを待って、タクシーで繁華街の居酒屋へ。
初対面の人と。しかも女装したままいきなり人の多い場所に行くとか。色々不安だったけど、気を遣って個室を頼んでくれた岩井さんに感謝。
「……あ、そうだ」
チューハイをテーブルの端に置き、岩井さんがトートバッグからA4サイズのスケッチブックを取り出す。
「実は、アクアちゃんのイラストとか、着せたい服のデザインとか描いてるんです」
何気なしに岩井さんが開いたそれを覗くと、完璧に模写されたアクアちゃんのイラストが。
「……すごっ!」
神だ。
ここに、神がいる!
神絵師が描いたアクアちゃん、尊すぎ!!
「ふぁ~っ! これ全部、岩井さんが描いたの?!」
「……まぁ、はい」
少し照れたように笑う岩井さんは、清々しい程爽やかで。
外見からはそんなイメージがないというか……人は見かけによらないな。
俺もだけど。
「じゃ、俺も」
酔った勢いとノリに任せて、バッグからぬいぐるみを取り出す。
「じゃーんっ!」
縫い活して作った、アクアのぬい。
「……え、これ」
「うん。俺が作ったの」
「す、凄い……」
目をキラキラさせる岩井さんに、少しだけ勝ち誇った気分になる。
そうだよ。俺だって凄いだろ!
俺はレモンサワーを傾け、ごくごくと喉を鳴らす。
「ぷはっ、うめぇ!」
ついでにつまみの唐揚げを、大きな口で頬張る。
……あ、やべ。
俺いま、女装してるんだっけ。
素が出ちまったと一瞬焦ったが、岩井さんは気にする様子もなく、むしろ微笑ましい様子で俺を見ていた。
あー。
それにしても、今日はなんて楽しいんだ。
思い切って出掛けてよかったぜ。
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