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2話※
眠れない。
ここに来てから、こんな夜は一度もなかった。けれど今夜だけは、どうしても眠れそうにない。
……仕方ない。
こういう時は、アレでもするか。
司に「好きに使っていいぞ〜」と言われたこの部屋で、アレをするのは正直気が引ける。でも、仕方がない。
寝られない夜にできることなんて、ひとつしかないのだから。
奏汰はベッドの中で、掛け布団の下に手を滑り込ませた。眠れない夜は、こうして無理やり眠りに落ちるしかない。
昔からそうだった。
別に、強い性欲があるわけじゃない。
ただ、身体を使って気持ちを空にする。
それだけのことだ。
目を閉じて、ゆっくりとパンツの中の手を滑らす。何かを想像するわけでもない。温もりと呼吸の音だけが部屋に満ちていく。
グラビアも、映像も、興味がわかない。
「自分は、どこか欠けてるのかもしれない」
そんなことを、ぼんやりと思う。
それでも身体は正直で、縮こまってたそれを掴み、フルフルといじっていると、むくりと頭を上げ、芯が強くなってくる。力を入れたり抜いたりするたびに、確かに生きていると感じた。
パンツの中で、あっという間に育ちきったペニスを右手で掴んでいる。ピクンと上を向き触れるたびに揺れるそれは、動かすたびに、ぬるっと湿ってくる。先走りというものが先端から流れ、手のひらを湿らせていく。
気持ちがいい……
射精感が高まると、ビクンと背中が反ってしまう。そんな時は決まって先走りが多くダラッと流れ出るのを知っている。
出したいけど、まだ焦らしたい。亀頭だけを撫でたり、ペニス全体を強く扱いたり、自分をいじめるのがたまらなく、気持ちがいい。
はぁ…はぁ…と声が上がる。強弱をつけていじめられたペニスは、硬くそり返り、ぬるぬるになって射精だけを待っている。
上下の手の動きが早くなる。パンツの中で、ゴチュゴチュという音が小さく聞こえる。「…い…いきそう…」と、奏汰は小声で呟いた。
だけど、あと少しでというところでドアの外から声がかかった。
「奏汰ぁ〜?寝たかぁ〜?さっきのさ、あの話の続きが気になっちゃってよ」
「うええっ!! え、ええっ!?」
タイミングが最悪だった。
まさにその瞬間、司の声がドア越しに響き、奏汰は思わず大声を上げてしまった。
「ど、どうした!? おい、大丈夫か!」
次の瞬間、ノックもなしに司がドアを開け、部屋に飛び込んできた。
「どうした? 具合悪いのか……ん? 熱か? それとも腹……ん? んん?」
薄暗い中でも、焦っている司の表情が見えた。『あ、司先生でも焦ることあるんだ』って、そんな呑気な感想が浮かんだ瞬間、布団をめくられた。
「……う、うわあああっ!」
一瞬で血の気が引いた。
パンツの中に突っ込んだ自分の手が、司の視界に入っている。
「お、おい……あ〜、なるほど。そういう時間か。うん、うん、わかった、了解」
「ちょ、ちょっと!」
「わかったわかった! いや〜、ごめん。タイミング最悪だったな、俺!」
司は両手を挙げて、慌てて後ずさった。
それでも口元は、笑いをこらえているように見える。
「……笑ってるでしょ!」
「いや、笑ってねぇよ。ちゃんと反省してるって。でも、健康的でいいぞ〜。男にとってオナニーは絶対必要だからな」
パンツの中の手はベタベタである。あと一歩というとこだったんだ。そりゃそうである。だから、パンツの中から手を出すことは出来ない。奏汰は情けない格好のまま司を睨んだ。
「司先生っ!! もう、ほんとに出てってください!!」
「ごめんごめん。途中だったか…イケなかったのか? よし、じゃあ、謝罪の代わりに、手伝ってやるよ」
「……えっ? は? な、なに」
奏汰が起き上がろうとした瞬間、司は「おっと」と軽く笑いながら、その肩をトンと押した。
その勢いのまま、奏汰はベッドに倒れ込み、司の影がふわりと覆いかぶさる。
「……大丈夫だから」そう言った司は、するりと奏汰のパンツの中に手を滑らせてきた。
「おーおー、大変なことになってんな」
ベタベタな股間を知られて恥ずかしい。男同士だから、奏汰がどんな状態だったのか、一瞬でわかってしまったんだろう。だけど、司は驚くも気にすることもなく、しっかりと奏汰のペニスを掴んでくる。
「え、え、ちょ、や、まって…」
奏汰が抵抗しても司の力が強いのか、されるがままになってしまう。何をされているんだっ…と驚くが、身体は素直なようだ。一度縮こまってしまったペニスが司の手により、ムクムクと起き上がってきている。
「……お前、普段のオカズは?」
「え……お、かず…?」
司が何を言っているのかよくわからない。上下に手をうごされて気持ちがいいから、よくわからないのかもしれない。司の手の動きが気持ちがいい。
「グラビアアイドルとか…AVとか…そんなの見てしないのかよ」
「……そんなの…見ない…」
「ん? マジ? ただ扱いて出すだけ?」
「……んっ…」
鼻から声が抜けるような返事をしてしまう。強弱をつけて司にペニスを扱かれる。それがたまらなく気持ちがいい。
くちゅくちゅ…という音が部屋に響いていて、少し恥ずかしい。覆い被さる司の下半身が奏汰に触れた。
「……あー。やべ…俺も勃ってきちゃった。奏汰のやらしい音聞いてるからだな」
「やらしい…音?…んっ、んっ…」
司が何を言っているのかわからない。その時、上下に動かされてた手が離れた。
「わりぃ……俺もしてい?」
「…えっ? へ? なに…」
次の瞬間、手の感触ではないものが奏汰のペニスに当たった。薄暗闇の中で目を凝らす。それは硬くて太い、熱くてゴツゴツとしたものだった。
「一緒に扱かせてくれよ?」
司が自身のペニスを奏汰に押し当て、二人分のペニスを掴んでいた。
両手で二本のペニスを持ち、扱き始める。
ゴリゴリとした刺激が快感になっていく。奏汰は抵抗しようとしたが、思考が追いつかず、息だけが浅く漏れた。
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