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11話※
「……先生、お腹すきました」
こんなこと初めてだ。
自分のお腹の音で起きるなんて。
そして暗闇の中でも、隣に司が寝ているのはすぐ分かった。足を絡めてきているせいで重いし、逃げられないのも以前と同じである。
……距離が…元に戻っていた。
「……っ、5時……じゃん。まだ早いぜ…」
昨日、悩んで帰ってきた奏汰を見た司は「悩むと顔が固まって頭止まるから。そのリセット」と言って、抱き寄せて、何でもないようにキスをしてきた。
結局その後、そのまま二人で奏汰の部屋に入り、ベッドに倒れ込んで、気づけば朝まで眠ってしまっていた。
……眠ってしまった、というか。
疲れ果てて、いつの間にか寝ていたというのが正しい。
疲れ果てる。
そう、二人で寝れば、自然と復活してしまうアレのせいである。
アレ……羞恥の二人オナニーである。
ベッドの中では「奏汰、溜まってるんだろ?」と、ニヤッと笑った司に言われ、あっという間に上から覆い被された。
しかも以前と違い、抱きしめられてキスをすることがプラスされた。身体は以前よりずっと密着していた。
司に、
「俺につかまって腰だけ横に倒せよ。ここに俺のを入れて擦ると、お前は気持ちいいんだぜ」
と、言われ、後ろから太ももの隙間を撫でられ、司はそこにペニスを捩じ込んできた。
司の硬いペニスは、奏汰の太ももを割って入り、ペニスに沿って、ゴリゴリと音を立てるように、根元から先端に向かって擦り上げた。
「ひゃ…っ、ああ、あああ、…っっ」
腰を押さえつけられ、重なった太ももの隙間から司のペニスを抜き差しされると、二人のペニスも重なり擦れて刺激を受ける。
司が腰を前後に振り始めると、ペニスも前後にゴリゴリと擦れ動く。二人分の先走りで濡れ、ぬるぬると気持ちがいい。その行為に奏汰のペニスはさらに刺激された。
足の隙間からペニスを捩じ込まれると、あっという間に射精してしまう。自分の手で扱くよりはやい。気持ちがいいとは、司の言う通りだと思った。
ただ、射精した後、司に「俺がまだだから付き合え」と言われ、そのまま足の間からペニスを抜かれることなく、腰を前後に振られ扱かれ続ける。するとまた奏汰のペニスは刺激され、気持ちがよくなり、ムクムクと勃起してしまう……というのを繰り返した。
司が射精しても、奏汰が勃起している。奏汰が射精しても、司がまた勃起する。交互にそれが続き、なかなか行為は終わらなかった。
「…っ、司…せんせ、で、でちゃう…」
「ああ…ちょっと待てよ…俺も…イク…っ」
絶頂を迎える直前は、司の腰の動きが一段と激しくなり、ベッドがガタガタと大きな音を出している。
二人で同時に射精しないと、永遠と、この行為を続けてしまうことを知った。それと、キスは抱きしめられながらすると気持ちがいいということも知った。
そんなことを繰り返していたから、疲れて最後は気絶するように寝てしまったようだ。
それに、以前より格段と二人のその関係が進化している。奏汰は胸の奥でじんわり熱くなるのを覚えた。
「お腹すきました……」
昨日は結局何も食べていない。それでこれだけ運動したのだ。そりゃ、早朝からお腹が鳴るわけだ。
「あーはいはい……じゃあ起きようぜ。朝ごはん作ってやるから」
ガバッと布団がはがされる。
ヒヤッと冷たい空気に触れる。
「うわっ、さ、寒い……!」
「お?……あー……パンツ無い?どこだ?」
「ちが……っ! デリカシーないっ!!」
「へ?なんで?探してやるよ、ほらどけよ。昨日は、やり過ぎちゃったかなぁ〜」
何度もキスをしながらした行為を、司はいつも通り飄々と口にする。
あの行為はセックスだ。
童貞で、性に疎い奏汰でもそれくらいはわかる。股の間にペニスを突っ込まれ、腰を前後に何度も振られた。孔に入れてないだけで、あれはセックスと同じ行為だろう。
だけど、司にとってあの行為は、本当にどうでもいいことで、ただのオナニーの延長くらいにしか思っていない。
そう思った瞬間、胸の奥が少しだけ、きゅっとした。
「あーっ!!ほら〜、あったぞパンツ。シャワー浴びてくるか?その間に飯使っといてやるからさ」
見つかったパンツはくるりと丸まったまま。司はそれをポイっと奏汰に投げてよこし、ついでみたいにチュッと音を立ててキスをした。
酔ってもなく、夜でもないのに、キスは続いている。
「…………。」
「なんだよ、その顔…」
「何、自然にキスしてんの」
「えっ?えー…自然って…朝だから?グッモーニン的な?」
その見事にズレた返事に、もう何も言う気が起きなかった。
「…………」
「なんだよ、おい……おーい、返事しろって」
もう言い返す体力がない。
それよりも、お腹が鳴っている。
完全に空腹が勝った。
司に何か返すより、パンツを握りしめシャワーへ向かう方が先だった。
奏汰はパンツを掴み、そのままふらふらと浴室へ向かった。
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