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第22話
調理室でゴウの指示だと言うと、調理人たちは大げさに思えるほど喜び、腕を振るって調理し始める。
そうなるとシオンの仕事は料理が出来上がるまで何もなく……調理室の隅で膝を抱えて座り込んだ。
走ったために跳ねるように脈打っていた胸の振動が治まってくると、今度はあの男にいじり倒された胸の先端のジンジンとした痛みを感じてきてしまう。
「 っ」
襟元からこっそりと中を覗くと、ヴィクトールが施した刺激のせいか乳首の色はいつもよりも赤く艶めいているし、気にも留めない程度のサイズしかなかったのに、つんと尖って存在を主張している。
気にしたら余計に気になる と、わかっているのに止められない。
ヴィクトールの指が捏ねるように触れ、突き放すように弾いた熱が……
「ぅ……んっ」
抱え込んだ膝を擦り寄せる。
じっとりと蘇ってきた熱を逃そうとした行為だけれど、それはますますはっきりとシオンの内に火が燻っているのだと教えた。
そんなわけない と繰り返す。
水をかけられたまま動き回っていたから風邪をひきそうになっているのかもしれないと、自分自身をそうごまかし続けた。
ゴウの好む酒と肴を膳に乗せて朱雀の部屋へと向かう。
流石に一人ですべての食事を運ぶことはできないから、先に酒を出して食事のタイミングを窺うことになった。
朱雀の部屋は最上階、階段を登り切って部屋に入るとそれだけで空気が濃縮されたようなとろりとした空気が肌に触れる。
「……あ、……ぁあ、……ん……んぅ……っ」
掠れた喘ぎ声。
シオンはそろりと衝立から右目を出す。
まず目を射たのは床に散りばめられた紅の光だ。
寝台がギシギシと揺さぶられるたびにこぼれ落ちる宝石の粒は、一度床に跳ね上がってから無造作にころころと転がっていく。
「ぁ、……あ……あぅ、……っあー……ぁ、も むり っ」
朱雀の悲鳴のような喘ぎが石の硬質な音を追いかけて耳を打つ。
無体でも働かれているように聞こえる声に身をすくませると、「あぁっ」と一際甲高い声が上がって白い足が空を蹴った。
滑らかでシミひとつない脚、小さな爪先は与えられた快楽に抗うようにキュッと丸められ、赤い花弁で染めた爪が見え隠れする。
「ぅ……うぅー……」
ぷちゅん と粘ついたものが引き抜かれる音と共に深い溜め息のような声が漏れる。
白い足の間に顔を埋めていたゴウは上機嫌で舌なめずりをしながら体を起こすと、自身の長大なモノを擦り上げていた手を止めた。
「なんだ、もう帰ってきたのか」
興奮にうわずった声は掠れて、獣の低い唸り声のようだ。
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