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「大人しくしておけよ。さもないと躾け直すからな」 不機嫌そうにそう言った主人は八つ当たりするように扉を閉める。 その声や音に逐一ビクッと身体を震わせた。 自分の震えよりも背後いる"誰か"の方が大きく震わせ、主人が去った後には啜り泣いていた。 "誰か"も愛賀と同じく口枷されているらしく、くぐもった声のように聞こえた。 はっきりとした声ではないために分からないが、自分よりも年下らしい幼い声のようにも聞こえた。 自分と同じように騙されて強制的に働かされているのだろう。 かわいそうに。大丈夫だよ。 ほんの気休め程度にしかならない慰めの言葉も、撫でることさえも枷によって封じられ、その啜り泣く声を聞きながらじっと待つしかなかった。 「わぁ〜。可愛い子達がいる〜」 扉が開かれた音と共に黄色い声を上げる男性の声が聞こえた。 明らかに主人ではない"客"にこの時が来たと震えが止まった。 "誰か"は一瞬泣き止む。 「あれ〜? こっちの子はどうしたのかな〜?」 客である男性がそばに寄ったからか、"誰か"は身体を大きく震わせ、それから手枷を激しく動かした。 そのあまりの激しさに愛賀の両手もつられて滅茶苦茶に動かされることとなった。 「怖がらなくていいよ〜。あ、見えないから余計に怖く感じちゃうんだよね。今目隠しを取ってあげるよ」 目隠しは簡単に外れないよう、後頭部に当たる部分に鍵が付いているようだった。 ガチャリ、と外す音がした。 「こんなにも泣いていて。かわいそうに。でも君みたいに可愛い子、ちょおっといじめたくなるんだよねぇ⋯⋯」 外された途端、何かを訴えているような小さく呻くような声を男性が言った瞬間、涙混じりな息遣いと男性の愉しげに嗤うような息遣いが混ざり合った。 それに紛れるように服が擦れるような音、次にベルトを外す音。それから⋯⋯。

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