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第三十四章 高瀬のうまさ

 高瀬の指が俺の奥を優しく、でも的確に擦るたび、頭の中が真っ白になる。 「……あっ、ん……うぅっ!」  声が抑えられない。脚を大きく広げられたまま、高瀬の指が三本も俺のナカに入って、ねっとりと敏感なところを刺激している。  俺はシーツを握りしめ、腰をくねらせながら喘いでいた。 「直人、ここ気持ちいい?」  高瀬の声は低くて甘い。俺の反応を一つひとつ確かめながら、角度を変えて指を動かす。その動きが、たまらなく上手い。まるで俺の身体の全部を知り尽くしているみたいに、弱いところを的確に攻めてくる。 「……んあっ! 恒一、そこ……ダメ……あぁんっ」  俺は涙目になりながら、高瀬の腕にしがみついた。  高瀬は優しく俺の髪を撫で、耳元で囁く。 「かわいい……もっと声出して。俺、直人の出す声、全部が聞きたい」  その言葉と同時に、指が一番感じる場所を強く擦られた瞬間、俺は背中を仰け反らせて達してしまった。 「はあ……っ、あ……!」  高瀬は俺がイッている間も指を抜かず、優しくナカを撫で続けながら俺自身を口に含んだ。達したばかりの敏感な先端を舌で丁寧に舐められ、俺はまた小さく喘いでしまう。 (……上手すぎる)  その思いが、頭の片隅でくすぶっていた。  高瀬は俺の上半身を抱き締め、正常位でゆっくりと自身を挿入してきた。奥まで一気に埋められた瞬間、俺は高瀬の背中に爪を立てて声を上げた。 「ああっ……! 恒一……」  高瀬の腰使いは優しくて、深くて、俺の感じるポイントを絶対に外さない。角度を変え、リズムを変え、時には激しく、時にはねっとりと——俺を翻弄するように動く。  俺は高瀬の首に腕を回し、涙目で喘ぎ続けた。 (……どうして、こんなに上手いの?)  その声も動きも、全部完璧すぎる。俺の身体を俺が知らないくらい正確に、気持ちよくしてくれる。  ——きっと高瀬は俺と出会う前から、誰かとこうしていたんだろう。  その事実に、胸の奥がちくりと痛んだ。  高瀬が経験豊富なのは、当然だ。俺が童貞だったのとは、最初から違う。でも、気づいてしまった今、胸がざわついて仕方ない。高瀬の過去に俺の知らない誰かがいたこと。  この上手い愛し方を、誰かに教えてあげていたかもしれないことも。 「……恒一」  俺は高瀬の背中に爪を立て、掠れた声で呟いた。 「……昔、誰かと……こうしてたの?」  高瀬の動きが一瞬止まった。  俺は恥ずかしくて、でもどうしても聞きたくて、潤んだ目で高瀬を見つめた。 「すごく上手すぎて……俺、嫉妬しちゃう……」  高瀬は俺の瞳をじっと見つめ返し、ゆっくりと腰を動かしながら優しく微笑んだ。 「過去はあるよ。でも――」  高瀬は俺の唇にキスを落とし、深く繋がったまま囁いた。 「今、こうして感じさせてるのは、直人だけだ」  その言葉に、胸の奥が熱くなった。  高瀬は俺を抱きしめながら、激しく、でも愛おしそうに腰を打ちつけてきた。 「直人……おまえは、俺の初めての恋人だよ。本気で愛してるのは、直人だけ」  俺は高瀬の背中に腕を回し、涙をこらえながら何度も頷いた。 「……俺も、恒一だけ……」  高瀬の動きが激しくなり、俺はまた達してしまった。高瀬も俺のナカで熱く放ち、俺を強く抱きしめてくれた。  荒い息の中で、高瀬は俺の耳元で甘く囁いた。 「嫉妬してくれていい。でも、俺の全部はもう、直人のものだから」  俺は高瀬の胸に顔を埋め、小さく頷いた。  高瀬のHが上手すぎる件。それが過去の経験から来ていると気づいた夜。でもその嫉妬すら、高瀬は優しく受け止めてくれた。  俺は高瀬の温もりに包まれながら、静かに思う。  ……これからもずっと嫉妬しながら、もっと欲張りになっていいんだな。

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