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第91話 これも浮気か?

無理やり抱き締められ顔が近づき唇が触れた。 やめろ…離れろ。  身体に力が全く入らず、金髪のやることを受け入れてしまっている。 俺よりも一回り大きい体格で力で押さえ込まれると、身体の自由が効かない今の俺は簡単に金髪の腕の中だった。 必死に踠くも金髪の腕はびくともせず、触れている唇を舐められる。 舌が口に侵入しようと門番の歯をどうにかこじ開けようとしているが、それでも頑なに閉じていたので顎を捕まれ強制的に口が開いてしまった。 「う゛っぐっむ゛ん゛ん゛ぐっ」 だめだ次第に頭がぼーとしてくる。 俺…コイツに抱かれんのかよ…。 男だし一度くらいなんてこと無いが…こんな奴に身体が反応するのが悔しいな…。 ほぼ支えられているとは言え、それでも立っていられず床に倒れた。 身動き取れない俺に対して、金髪は覆い被さり再び唇を重ねる。 抵抗らしい抵抗もできず、金髪は俺の口の中を縦横無尽に蠢き続ける。 気持ちいいなんて感情はないが身体に触れられると勝手に俺のものは反応してしまう。 これは金髪だからじゃない、誰にでも反応したはず。 今の俺には拒絶と言うものがなかった。 与えられた刺激に身体が反応している、ただの条件反射に過ぎない。 身体の自由は効かず快楽を求めていたが、僅かに残る理性が冷静に処理していく。 こっちに来て毎日のようにエストレヤを抱いていて良かった。 もし初めてだったり慣れていない頃であったら無駄に抵抗して暴れまくった分、精神面の方がやられ金髪に流されたことを悔やみエストレヤと別れを考えていたかもしれない。 こんなことで別れてたまるかよ。 ボタンを外され首や胸に金髪の唇が触れる。 快楽ではなく嫌悪であるのに身体はより反応し呼吸が乱れる。 自身の乱れた呼吸音をどこか他人事のように聞き、俺の身体に貪り付く金髪を見ていたくなくて瞼を閉じた。 「…エストレヤ。」 エストレヤの名を呼んだのは無意識だった。 「………」 俺の声は金髪にも届いたのだろう。 奴からの快楽は痛い程の刺激に変わっていき、俺はそれらを無抵抗に受け入れるしかなかった。 頭の中でエストレヤを写し、思い出に耽っていた。 これら全てエストレヤが与えている刺激なんだと、自分を騙し始める。 胸を摘まむ手も、口に含み舌で転がしているのも全てエストレヤだ。 エストレヤが俺を求めているんだ。 エストレヤ、エストレヤ、エストレヤ。 「はぁはぁんっんふぁんっんふぅっんんっん」 俺が感じ始めたのに気を良くしたのか、金髪は胸にむしゃぶりついている。 俺への痛みを与えることはなくなり、金髪自身が俺の身体を楽しみ始めた。 悔しくも俺のモノは完全に反応し、心と身体はバラバラだった。 浮気する奴が心と身体は別と言ったが、今はそうだと思いたい。 俺は金髪を望んだりはしない…。 身体は確かに気持ちいいが、心は一切満たされることはない。 金髪はズボンの上から俺のモノの反応を確かめ、興奮している。 あぁ、俺はこのままコイツに抱かれんだな…。

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