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第109話 学園

今日から授業に復帰する。 朝食などは常にエストレヤと一緒にいるが、問題は教室だよな。 一度エストレヤが変なのに絡まれた時は、侯爵と父さんにより相手は学園を去った。 だが、今回はそう簡単ではないだろう。 王族が絡んでいる。 俺がパーティー会場に戻りエストレヤを見つけた時には既に数名の生徒に囲まれていた。 全ての経緯を知っている者がいる筈なのに真実は伝わっていない。 一部始終を知っているものが誰も口にしなかったのか、悪意を持って嘘を広めたのか、相手が王子だから忖度したのか…。 その他にも気になることがある。 事実を知っているティエンダとフロイントは箝口令のためだか、誰にも言えなかったと言っていた。 それでも「媚薬」について広まっていた。 会場ではまだ媚薬は盛られておらず、金髪と二人きりになってからだった。 その後に会った人物は俺は覚えていないが、ティエンダの話ではプロフ先生が俺を診察したらしい。 プロフ先生が媚薬について言いふらすとは考えられないが、信じすぎるのは良くないかもしれない。 他に情報が漏れると言えば…金髪に協力した奴がいるとか? 協力する奴は…誰だ? 俺に恨みがある奴…。 ヴィシャスか? あいつには誰が見ても素っ気ない態度で接してきた。 変な誤解されないよう優しさを一切見せなかった…あれが原因か? …それしかないよな…。 他に考えられる人物は…ピンク頭。 ピンク頭は何処にいた? あいつと金髪は恋人?なんだよな? なら、ピンク頭か共犯か? 可能性がある…のか? 恋人が他の奴に媚薬を盛るところを見たいか? …あぁ、金髪が俺を相手にするとは限らないか…。 答えのでない不安を振り払い、顔に出さないようエストレヤには接しているつもりだった。 朝食も登校も以前と変わらないように行動した。 エストレヤを愛していることや、良からぬ事を考えている奴らを牽制するように一目も憚らず見せ付けた。 これでも近付いていくる奴はいた。 挨拶が執拗に長かったり、さりげなく身体に触れてきたりと見え透いたものだった。 目の前で躓きタックルのように俺に飛び込んでくる奴もいた。 そういう時は、支えることも心配することもなく見下ろしていた。 表情を一切変えずに。 以前のグラキエスを思い出したり俺の反応で大方の奴は謝罪し去っていくが、察しの悪い人間はいつまでも俺に引っ付いていた。 そういう場合は「どけ」と一言だけ話してやる、それで充分満足して去って行く。 次第に噂はパーティーだけでなく俺の行動にも飛び火した。 俺の感情は媚薬が原因だと噂され、エストレヤに騙されていると。 きっとエストレヤには、もっとだろうな…。 環境は数日過ぎても変わらなかった。

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