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第123話 放課後まで辿り着けず
今日は朝から視線を感じている。
普段はエストレヤとイチャ付きまくり見せつけていたので気にならないが、今日は何だか違うように感じた。
俺の考えすぎなのかもしれない。
普段通り過ごすことに心がけるも、練っとりとした視線が気になって仕方がなかった。
午後の授業は教師の都合により魔法の実践に変わった。
訓練場に向かう間、数人が俺に引っ付いてくるのにも慣れた。
あれだけエストレヤとイチャついてるのに俺に構うのは婚約者の立場を狙ってではなく、公爵家にすり寄りたいという思いからか?
それか…こいつらは単に人との距離が近いとか?
だが、すり寄って来る奴らにネイビーブルーの髪色の奴は居ない。
やはり、考えすぎなのか…。
授業では俺の開花した能力に興味があるのか教師は気合いが入り、俺もここで少しは体力を削っておこうと真面目に授業に参加した。
体力を削ればエストレヤに無理させなくてすむ。
俺の性欲どうなってんだろうな…。
今は授業に集中だ。
教師の前で言われるがまま魔法を披露した。過去の俺が苦手とする火も難なく使いこなし、以前使えていた水も氷も威力を増していたらしい。
相反する火と水を同時に発言させることにも成功すると、何故か教師が興奮していた。
炎を具現化し剣の形で切りつけると、切断面から炎が上がり歓声も上がる。
各々魔法を訓練していたはずなのに、クラスの奴の注目を浴びていた。
そんな事は気にせず氷の剣でも試すと、振りかざしただけで対象のものが凍った。
魔法の平均が分からない俺には何が凄くてクラスの奴らが騒いでいるのか判断できなかった。
魔法の授業は二コマ続きで、その間真面目に魔力を使い続け後半は教師との個人授業になっていた。
周囲の人間の反応からして技術もだが、魔力量も今すぐにでも魔法省から直接引き抜きが来る程らしい。
興味がながったから教師の言葉は流したが、教師としては結構本気だったらしい。
授業が終わっても教師から引き止められ、なかなか教室に戻ることが出来なかった。
変な奴らに付きまとわれるのも面倒だが教師もなかなか面倒で、強引に教師を振り切り教室へ向かった。
エストレヤと個別室で楽しむのも今日で終わりにするかと考えながら階段を上がっていくが、こんなにも魔力を使ったことが無かったので多少階段を昇る脚がふらついた。
「エストレヤとエッチ出来っかな?」
俺の頭の中はいつもエストレヤとのエッチしかなかった。
階段を昇っていると俺を待ち構えるように立っている人間の存在を感じた。
「お前は私のだっ。」
顔をあげると金髪が立ちはだかり、腕を伸ばされていた。
それは俺が目覚めた時と同じ光景。
今朝から感じていた視線はこいつだったのか。
脳が状況を理解できないまま、俺は浮遊感に襲われ周囲の光景が流れていくのを感じる。
エストレヤに「階段気を付けろよ」とか言っておきながら、俺がこんなことになるなんてな。
エストレヤ、心配すんだろうな。
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