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第140話 食って寝たら…
充分エストレヤを堪能し服を着て食堂に向かった。
俺が目覚めてからかなりの時間がたっていた。
エストレヤには勿論俺の服を着せてた…俺の服の中でも大きめのやつを。
首元を引っ張らなくても俺の着けた痕が見えるような服。
食堂には俺達だけで、エストレヤは既に食事を済ませていたので俺だけ食べていた。
食べ始めると腹が減っていたのを思い出す。
使用人は俺に合わせ食事を運ぶ。
「食事がすみましたら応接室へ旦那様がお待ちです…イグニス様もご一緒にとのことです。」
「あぁ、わかった。」
「はい」
使用人の言葉で部屋でイチャつくのはお預けにされてしまった。
食事を終え応接室へ向かえば、父さんもおっさんを既に座り俺たちを待ち構えていた。
おっさんの目が俺を睨み付けるように鋭かったのが、却って気持ち良かった。
変わってない…。
「エストレヤ…服は…」
「あっ俺の着せたんで問題ないですよ。」
おっさんの顔を歪ませるのが愉しくて、挑発するような言葉を選んでしまう。
エストレヤの肩に手を回していたが、見えやすいように首元を引っ張り付けたばかりの痕を見せ付けた。
「エストレヤ…こっちに座りなさい。」
おっさんは怒りを押し込めたような声でエストレヤを呼び寄せる。
「目覚めたばかりの婚約者を引き剥がすのかよ…冷てぇな。」
「なっ」
「アティラン、ちゃんと座るなら二人で構わない。」
俺とおっさんの言い争いを見兼ね、父さんが妥協案をだした。
俺は父さんの案を取り入れエストレヤと二人で横並びにソファに座った。
父さんは一人ソファに座り、俺達はおっさんと向かい合うように座る。
その際、父さんから見えなくともおっさんには見えるようエストレヤの腰に手を回した。
エストレヤの腰に俺の手を見つけた時のおっさんの顔はこの先も思い出すだろうな。
「アティラン、二日後に王宮へ行くことになった。その日は私も同行する。」
「はい」
「王族とは話し合いが終わっている。アフェーレ王子は今後、王宮にて学業を進めるそうで学園には卒業パーティーのみだろう。」
王族とは解決済みね…。
「…へぇ…あいつ…金髪はなんでそんなに俺を恨んでたか話しを?」
「……ぃや…混乱…動揺しているのか会話らしい会話は出来なかったよ。アティランの記憶が戻ったのかは聞かれたが…。」
「…どんな様子で?」
「記憶は失っていないと話したら…少しだけ顔色を変えたかな。」
「………」
「何か王子と有ったのか?過去を思い出したりとか…。」
「いや、過去は全く。ただ、最近は金髪が睨むように見てくるなぁって…。」
「……そうか」
やべぇ、食べたからか急に眠気が…。
三日間も寝たのにまだ寝足りねぇのか俺の身体は…。
エストレヤの温もりも眠気を誘う。
「王宮での話し合いも終われば、いつでも学園に戻れるようにしておく。」
「…はぃ」
ヤバい寝そうだ。
「まだ本調子ではないだろう、やすみ……。」
父さんの声もそこまでで、睡魔に引き込まれていた。
「…アティ…眠っちゃった?」
「寝かせてあげなさい。」
「はい」
エストレヤとおっさんの会話を聞いた気もするがもう…。
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