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第143話 約束 エストレヤ イグニス

アティが馬車に乗り込み王宮に向かってしまった。 淋しかったが、アティの姿が見えなくなると交わした約束が頭の中をグルグルと回っている。 一人エッチを「見せる練習」をするという約束。 アティのいない部屋で一人エッチ…。 「エストレヤ応接室で待たせて貰おう。」 「…ぅん」 使用人さんに案内されるまま応接室に向かった。 どうしよう…アティの部屋に行きたいって言って良いのかな? 「エストレヤ落ち着きなさい。アティラン様なら大丈夫だ。」 「…はい」   お父様は僕が王宮に行ったアティを心配して落ち着きがないと思っているが本当は、アティとの約束を果たすべく一人エッチして待ってなきゃという思いで一杯だった。 「エストレヤ」 「…はぃ」 「少し休みなさい。」 「えっ?」 もしやさっきのアティとの会話聞こえてた? 「寝不足だろ?、彼がいない間に眠っておきなさい…どうせ今日も…」 お父様は言葉を濁したがなにを言いたいのか何となく分かったので、何も言わずに頷いた。 「…ぁっはい」 使用人にアティの部屋で待ちますと伝えてから部屋に向かった。 きっと、アティが帰ってくるまでは誰も来ないはず。 一人エッチの練習しないと…。 アティのいないアティの部屋に一人でお邪魔した。 なんだか不思議。 寮とは違うアティの部屋。 きっと、アティではなくアティランの部屋なんだと思う。 机回りとか雰囲気?が違うように感じるも、ベッドはもうアティだった。 王宮へ向かう前まで着ていたアティの服を拾い上げ香りを確かめた。 僕って変態だったんだ。 アティの着ていた服を嗅いで興奮してる…。 だけど、止められない。 その状態でベッドに上がり一人エッチの準備に入った。 アティの残り香を探しながら自分のモノに手を伸ばし記憶の中のアティの姿を追い、パンツの中に手を入れ自身を扱いていく。 「アティ…」 気持ちよくなると手が勝手に動いているように錯覚する。 アティの服を顔に押し当てながら一人でするなんて、アティに知られたら変態って思われちゃう。 止めなきゃって思うのに、嗅ぐのも扱くのも止まらない。 僕…今、興奮してる。 アティの服を着て、アティのベッドで、アティの脱いだ服を嗅ぎながら、アティを思い出して一人エッチ。 僕は呆気なくイッちゃった。 身体はダルく気持ちも何だか満たされなかった。 「やっぱりアティじゃないと…」 横になり、もう一度挑戦した。 今度は反応も難しく、これだと約束の一人エッチを見せるってのも失敗しちゃうかもと焦りだした。 アティになら僕の全てを見てほしいのに…。 僕、アティの為に何が出来るかな? こんなんじゃ飽きられちゃうかな? 「…アティ」 こんこんこん 「ひゃっ」 「エストレヤ私だ、まだ起きてるか?」 「ぁっはい」 「少し話したいんだが良いか?」 「はい…ぁっ、待ってください。」 急いで色々片付けた。 お風呂場に駆け出し自身をさっと流しズボンを履いて、窓を開けてからお父様を出迎えれば、目の前にはアティのお義母様のセリオン様がいた。 突然の事に驚きながら部屋へ招き入れた。 アティの部屋なのに良いのかな?とは思ったが頭が回らずソファにはお父様と横並びに座り、セリオン様とは向かいに座った。 使用人が紅茶やクッキーと蜂蜜を用意してくれた。 蜂蜜はセリオン様の最近のブームらしくクッキーや紅茶に入れるんだそうだ。 「エストレヤ様。」 「はいっ」 何を言われるんだろうかと緊張した。 「アティと学園でどんな感じなのか教えて貰えるか?」 「…どんな感じ?」 「学園でも二人はあんな感じなの?」 あんな感じ…とは、きっと普段の態度を言っているんだよね? 普段からアティとあんなに乱れているのかって聞かれているんですよね? 嘘は良くないけど…だからってお母様に「はい、いつもです」なんて答えられない。 なんて答えるのが正解なの? 「あっ勘違いしないで、二人を責めてる訳じゃないの…ただ…」 「…ただ?」 何でしょう? 「羨ましくてぇ。僕の時は真面目な学園生活でパーティーでのエスコートしか触れ合いがなかったの。だから気分だけでも学園でのイチャラブ?味わいたいのぉ。ねっだから教えてぇ。」 「………」 思いがけない言葉に理解が遅れ、僕はどうするべきか視線でお父様を確認すれば、お父様も同じだった模様。 「学園で…」 のことですよね? 「そっ学園ではどんな感じ?」 「…一緒に食事したり?」 「もう、そんなんじゃないでしょ。分かってる癖にぃ。」 アティのお義母様はこんな感じの人なのかな? それとも演技をして僕を見定めようと? …わかんない。 「ぇっと…」 お父様の方を確認してしまった。 お父様の前でアティの話は…何となく…避けていたから…。 「私も聞きたい。」 「お父様も?」 やっぱりお父様もアティのこと気に入ってくれてるんだ。 嬉しいっなら全部?話しても問題ないよね。 「ぇっと今は、アティの部屋を二人で使ってます。」 「ぇえーそうなの?いつも一緒?」 「はい」 お義母様ぎ喜んでくれるので、僕も隠すこと無く伝えた。 「それでそれで」 「一緒に…ぉ風呂入ったり…してます…。」 「…お風呂?一緒に?」 「はい、それで…寝る時も一緒で……寝ます。」 「………それ本当?」 「はぃ、朝はアティの服を着て食堂に行きます。最近はずっとアティの服しか着てないです。それで…一緒に学園に向かって…授業を受けてお昼は一緒に食べます…食べ終わると…中庭で一緒に寛いで…放課後もずっと一緒に居ます。」 エッチについては言わないでおいた…けど、バレちゃってるかな? お風呂と裸でベッドは言わない方が良かったよね? 「…わぁ授業以外ずっと一緒なの?」 「はぃ、大体は…」 「すごく素敵ぃ、それが学園生活だったのかぁ。もう一度やり直したい。」 「…へへ」 なんだか嬉しくなっちゃった。 「幸せそうな顔……だけどさぁ…それだけじゃないよね?」 「へ?」 突然セリオン様の表情が変わった。 それだけじゃないとは? 僕、何かいけないことを? 「毎日してるんでしょ?」 「…して…る…とは?」 「エッチに決まってるでしょっ。」 「ぇっぁっ…それっはっ」 お父様が隣にいて答えづらいよ。 「婚約者なんだから当然のことだし浮気じゃないんだから堂々としていれば良いんだよ。」 良いのかな? お父様の顔はなんだか見ることは出来なかった。 「えっと…毎日…してます…」 恥ずかしくで顔を上げることが出来なくなってしまった。 「あぁん、羨ましすぎるぅ…まさかっ学園でもしてるとか?」 「………」 否定できない。 今まではちゃんとだめって言ってたけど…最近は個別室で…。 「やぁん、本当?何処で何処で?」 「…こ…個別室で…」 セリオン様の気迫に負けて喋ってしまった。 「…あぁ、あそこ…そうだね良いところ見つけたねぇ。そっかぁ個別室かぁ。」 「………」 ここまで言っちゃって良かったのかな? お父様は先程から腕を組んで眉間に皺を寄せている。 やっぱりそういうことって人に言っちゃいけないのかな? 後で叱られちゃうのかな…。 その後も学園でのアティとの生活…性生活を根掘り葉掘りと…。 未来のお義母様だから嘘はいけないと思い、聞かれたことは全て答えてしまった。 アティが帰ってくるまでの間に…全て。 先程は誤魔化したと言うか、言わなかったお風呂でしちゃってることや朝も沢山してることも…。 食堂や廊下でも別れ際にはキスすることや、昼休みの中庭ではアティの膝に乗り戯れていることも。 話しながら気付いてしまった。 僕達って授業以外エッチな事しかしてない。 急いで帰ってきたアティは僕を見るなり激しめのキスをした。 こんな話をしてたなんて知らないアティの行動にセリオン様はとても興奮していた。 ソファに座る時は僕を後ろから抱き締めるように座り、するりとズボンの中に手が潜り込んできた。 思わず「ぁん」と声が生まれ気付いた時にはこの場の全員の視線を感じた。 「やっ」 恥ずかしくて前屈みになりながら足を重ねズボンの中でモノを隠そうと必死だった。 「僕達はお邪魔みたいたがら応接室に戻りますか?」 セリオン様の提案にお父様は無言で、席を立とうとはしなかった。 「侯爵様っ」 「ん゛ん゛ん゛」 お父様はセリオン様の言葉に葛藤していた。 二人きりになったら僕達はきっと…。 少しでもそれを阻止したかったみたい。 「ぁっ」 まだ二人がいるのにアティの手が僕を捉えて離さない。 我慢しなきゃいけないのに、お義母様やお父様の前ではしたない姿は見せたくないのにアティの手が気持ち良くて感じちゃう。 アティの服を掴み必死に悶えていた。 「アティ…だめっ」 「………くっ」 瞼を閉じ耐えていると扉の閉まる音が聞こえ、確認するとお父様もセリオン様も居なかった。 「エストレヤ、パンツ履かないエッチな格好で皆を誘惑してたの?」 「やっん…ちがっ…の」 「ん~」 「ぱ…んつ…汚しちゃって…」 「ん?」 「アティとの約束してたら…二人が来て…ん…慌てて…」 「約束……「一人エッチの?」」 一人エッチの部分だけ耳元で囁かれると擽ったくもありちょっとエッチな気分になった。 「んっ」 「ふぅん、一人エッチ気持ち良かった?」 「……アティ…の…手がぃぃ。」 「………そんな可愛いこと言うんだ?」 僕のを扱くアティの腕を掴んだ。 それは抵抗からじゃなくて、アティに掴まりたかったから。 「ぁんんっんぁん」 「気持ちいいか俺の手。」 「んっ…もち…ぃぃ」   「エストレヤ、こっち向いて。」 「…んっ…んーんあむっんんあんっん」 アティのキス…好き。 キスの途中で、服が捲られ脱がされていく。 脱がされる瞬間唇が離れるのか寂しくて、口を少し開いてキスの続きを求めた。 無防備になってしまった胸を摘ままれ僕のモノも気持ち良くされていく。 ズボンを引き抜かれ、座り方もいつものような向きに変えられた。 僕だけ裸で反応させているの恥ずかしい。 「アティも…脱いで…あむっんん」 口を塞がれ怒らせてしまったかと不安になった。 舌を食べられながら、アティがジャケットを脱いでシャツのボタンも外し始めた。 乱暴にシャツを脱ぎ捨てた後、僕を抱き締めてくれるも唇が離れてしまい、アティと見つめあった。 「自分の手で扱いて俺に見せて。」 こんな至近距離で、アティがいる目の前で…。 アティは僕の腰に腕を回し、僕が一人エッチするのを待っているようだった。 コツンとおでこをあて二人で僕のを見つめていた。 アティの手が反応しきっている僕の先端を、人差し指でクニクニしだした。 「このまま我慢するのか?」 「…んっ」 恐る恐る手を伸ばして握った。 アティが見てる前で…アティの膝の上で…。 それだけで一人でした時より感じてる。 「んっぁっんんふっんん」 「気持ちいいか?」 耳元で囁かれると余計感じちゃう。 「ぅん…アティ…側にいると…気持ちぃい。」 「ふっそうか…エストレヤ」 名前を呼ばれると優しく唇が触れていた。 僕の手の上にアティの手が重なる。 「アティ…」 「ん~?」 「アティのは?」 「俺の?」 「もぅ…僕に…くれる?」 「…準備しないとな。」 アティはテーブルに手を伸ばして何かを取り、足を広げて僕のお尻に何かを塗り込んでいた。 香油よりねっとりしてる何かを…。 「アティ…何それ?」 「ん~蜂蜜」 あっ、セリオン様が紅茶とクッキーと蜂蜜を用意してくれてたんだ。 それをこんな事に使うなんて良いのかな? そんな疑問もすぐに頭から消え去り、アティの指に夢中になった。 アティが少し体勢をずらしズボンとパンツを脱いだ事で次に起きる事に身体が待ち望んでいた。 アティの首に腕を回し、身体を浮かしてアティのを欲しい場所に招いた。 僕自ら腰を下ろしてアティを迎え入れた。 「あぁあん」 背筋を逸らしながら、中に収まると身体が勝手に動いていた。 アティのを中に欲しくて必死に自分の身体を使った。 僕の好きなようにさせてくれるアティって本当に優しくて、その後も沢山僕の中にくれて気持ち良かった。

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