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第146話 卒業

あっという間に時間は過ぎ俺達は卒業することになった。 よくある卒業パーティーでの断罪など起こることもなく、滞りなく進んでいく。 パーティーでは当然俺はエストレヤをエスコートした。 あれから金髪は学園ではなく王宮で課題をこなし卒業資格を得たようだった。 卒業式くらい登校するかと思ったが、存在を確認することはなかった。 一曲目のダンスは再び俺とエストレヤが勤めることになった。 二度目でもあるがエストレヤは緊張しているようだ。 無事にダンスが終わっても拍手を受けることがなかった。 少々疑問が残りつつもエストレヤを引き寄せキスをした瞬間、盛大な拍手が鳴り響いた。 手を繋ぎダンスフロアを次の婚約者達に譲ると、前回の学園パーティーの時よりダンスをする人数がかなり増えていた。 恋人関係だった者達は婚約者となり、婚約者のいなかった者達も卒業パーティーに合わせてなのか婚約者を引き連れ参加していた。 金髪が欠席だとすると、あのピンク頭がどうしているのか疑問になった。 見渡すとちょこまかと動き回るピンク頭がいた。 だが、声をかけられている生徒達は明らかに距離を置いていた。 「なに見てるんだ?」 俺の視線に気付いたガウディぺディオに声をかけられた。 「いや、金髪に引っ付いてたピンク頭がちょこまかと動き回ってんなぁってさ…」 「金髪って…アフェーレ王子の事?」 「んあ?あぁ」 「…そう…えっと…ピンク頭はきっと…フレルトの事だよね?彼が王子に付きまとっていたのは学園中が知っていた事だから。それでも黙認していたが、グラキアス様が記憶喪失になり色々問題が明るみになったのはフレルトが貧乏神なんじゃないか?って噂が出始めてね。実際王子は今現在学園を去り王宮で謹慎中、グラキアス様は記憶喪失。王家と公爵家に目をつけられてるわけで、そんな奴と親しくしたら道連れにされる。フレルトは今では孤立無援、誰も手を貸したりはしないよ。」 「ほぉお」 同情などしないし、自業自得だろう。 「彼は顔は良いから貴族との婚約も可能性はあったと思うよ、平民だけど。 だけど狙う相手には限度ってものがある。婚約者のいる相手や王族を狙うなんて図々しいにも程がある。彼は王子に近付けたことや婚約者のグラキアス様が放置していた事で勝ったと勘違いしていたが、実際貴族は誰も彼を認めていなかった。あの当時のグラキアス様も相手にする価値もないと思っていたんじゃないかな。」 こいつ結構言うな。 「表に出ないことや遊びであれば、愛人や妾で問題ないしね。グラキアス様もそんな風に思ってたんじゃないかな?」 ふぅん。 だから、二年も放置してたんだな。 「あれは…子爵…ぇっと…」 「リヴァル ヴィシャス?」 「そうそう」 「彼もほら、あそこで次の貴族を開拓中。それでも、最近は婚約が決まるのが多くて下手に手を出すとどうなるか分からないからね…」 「へぇ」 「…グラキアス様が関係してるからね。」 「ぇつそうなのか?」 「そっ、だからグラキアス様とイグニス様の交遊関係に変にちょっかいかける奴は居ないよ。」 「俺なんかした?」 「さぁ?」 「…もしかして、ガウディぺディオは今俺を利用しようとか考えてないよな?」 「………ふふっ分かっちゃった?」 「本当かよ…」 「俺の相手は教師だからね、グラキアス様のご利益に預かろうかと。」 「ご利益って、俺にそんなもんはねぇよ。」 「いやいやご謙遜を。グラキアス様は中庭の伝説に、個別室のイベント、学園パーティーでキスが出来ればその二人は幸せになれるというのをつくられた恋愛のエキスパート。グラキアス様と同じことをすれば必ず幸せになれる~って噂だぜ。」 「…そんな噂出来てんのかよ。」 「以前のグラキアス様は堅物で目をつけられるのが怖くて、皆我慢してたんだよ。それを本人がぶち壊してくれたからな、今のグラキアス様の様に愛されたいって押さえつけられていた欲望が溢れだしたんだよ。責任とれよ。」 「責任って…」 「これからも伝説をよろしく。」 「…楽しんでんだろ?」 「あぁはぁん?」 「うわっ良い性格してるな。」 「どういたしましてぇ…って、俺はそろそろ行くわ。恋人兼婚約者の元へ。」 「おぅ」 ガウディぺディオが離れるとタイミングよくエストレヤが現れた。 きっとエストレヤが来るのが分かり立ち去ったのだろう。 状況把握や情報収集に長けた奴。

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