24 / 35

11-2

 ソファでコウダはぐっすりと眠っている。ヒヤマはその隣に腰掛けて、彼の美しい寝顔を見つめている。  ヒヤマはコウダの顔を撫で、綺麗な唇に指を当てた。  コウダは深く眠っているので、もちろんそんなことで起きたりしない。  ヒヤマは思った。  ああ、コウダが深く眠れる人で良かった。  そして思った。  自分が眠れなくて良かった。  そんなことは初めて思った。どんなにこの不眠を飼い慣らしても、それに感謝したことなんて一度もなかったのに。  でも、今はそのおかげでこの寝顔を独占できる。  彼の寝顔をずっと見つめられる自分でいられる。  だから、眠れなくても良い。

ともだちにシェアしよう!