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第6話

目を覚ますと、そろそろ準備をしないといけない時間になっていた。ヤバい寝過ぎた。ドタバタと準備してると晴彦さんがノートを渡してきた。 「なんかお前の大学のやつがきて、ノート頼むって言ってすぐ帰ってたぞ。」 そうだった。今日は小野寺さんと会う約束してたんだった。忘れて寝るとか最低すぎるだろ。そりゃ、すぐ帰るわ。ノート返すとき謝ろう。 「晴彦さん、受け取ってくれてありがとうございます。あれ、なんで俺のTシャツ着てるんですか?それ今日、着ようと思ってたのに。」 ゲロでも吐いたのだろか。だとしたら、俺の部屋のどこかはゲロまみれである。勘弁してほしい。 「俺の服は洗濯中なんだよ。いいだろ借りるくらい。」 後始末は自分でやってくれたらしく、安心した。 「それ、綺麗なやつなんですよ。困ります。」 「お前の服、全部ヨレヨレじゃねぇか。てか、遅れるぞ。」 本当に時間がやばいので適当に掴んだ服を着て、インゼリーを口に突っ込みながらでる。 「晴彦さん、家出てくときは鍵ポストに入れておいてください。」 次の日、小野寺さんに空いに行く。正直、約束をすっぽかした身としていくのは気が重い。焼肉ぐらいは奢る覚悟を決める。小野寺さんとは、基本棟が違うから、迷いつつ待ち合わせ場所に着いた。 「本当にすみません。約束してたのに、忘れて寝てしまうとか最低でした。お詫びになんでもします。」 深々と頭を下げると小野寺さんは笑って和かに返す。 「そんなに、謝らないでくださいよ。それに一緒にいた人が受け取ってくれたんで、時間も取られませんでしたし、大丈夫ですよ。気にしないでください。」 この人は、聖人なのだろうか。俺はいつも貰ってばかりなやつなのに、やっぱり申し訳ないからご飯くらい奢らせてほしい。 「その、申し訳ないのでご飯とか奢らせてほしいです。」 ここで何もしないのは、俺の護憲に関わる。 「キヨさんの食生活みてて、ご飯奢って貰うとか、心が痛むので無理ですよ。だから 、大丈夫です。」 正論を言われて何も言えなくなる。でもこのまま引き下がる訳にはいかないのだ。 「奢る以外で何かできることはありませんか。本当に申し訳ないんです。」 小野寺さんは困った表情をして数秒考えていた。 「あ、じゃあLINE教えてください。」 その言葉にドキリとする。俺は小野寺さんにLINEはやってないと嘘をついていたのに。 「キヨさん、俺の前で家族から連絡きたとか言ってLINE開くし、LINEやってません?」 俺のバカ。爪が甘いんだよ。小野寺さんにバレるとか何にも考えてなかった。 「そ、そ、そんなのでいいのなら。どうぞ。」 俺は、ぎこちなくLINEを交換する。俺も電話苦手だし、ちょうどいいとか思って現実逃避する。 「ありがとうございます!」 小野寺さんの笑顔が一段と眩しい。俺の罪悪感に突き刺さる。俺はきた時よりも重い足取りで戻っていった。

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