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第9話

「ロキ、話がある。」 神妙な面持ちをしたテオに呼び出された。村一番の切れ者であるテオは、いつも余裕がある表情をしているため珍しい。よっぽどのことなのだろう。 「わかった。今夜、俺の部屋に来てくれ。」 テオを部屋に招き、茶を淹れる。村長になった俺に対し、深々とお辞儀する。村長になっただけで、周りの態度が変わり、少し戸惑っている。 「テオ、話てくれ。」 テオに頭を上げてもらい、話を聞く。 「お前の父の死は不自然だったから、俺は最近、独自で調べていたんだ。そしたら、村の外れに生えている草が少し、刈り取られていたんだ」 そう言って、テオは白い花を懐から取り出す。その花は父が好んでいて、グリシャが父にたむけた花だった。 「この草は 乾燥させて燃やした煙を吸わされ人間に幻覚を見せる作用がある。お前の父は、密室で抵抗することなく亡くなっていた。この草によって幻覚を見せられて、犯人に抵抗することなく殺されたんじゃないだろうか。」 テオの推理は確かに納得がいく。誰かが父を殺したのか。どうして、そんなことを。でも、王国の人間はテントから出ていないと言われた。なら、村の誰かが父を殺しのか。考えを巡らす俺にテオは最悪の事実を言い渡す。 「夜中、酔っ払ってた奴が目覚めたときに、白に近い金髪の男が王国のテントから出ていくのを目撃したらしい。酔っ払いのいうことだが、信じられないが、俺はその男が怪しいと思ってる。ただ、王国からの使者の中にそんな男はいないから、もうそいつに思い出させてみるよ。」 テオの発言に目の前が真っ暗になる。白に近い金髪、その特徴が当てはまるのはグリシャだけだ。グリシャは仮面と帽子で覆われているため、テオはわからなかったのだろう。グリシャが父を殺したかもしれない。何故、なんだ。再会した親友の真意を確かめるため俺は、明日の夜、グリシャを呼び出す決意を固めた。

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