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第20話
母を殺したあの村に復讐しなければ。どうして、ロキを見ただけでやめてしまったんだ。こうなことをしていると、王の信用を失ってしまう。でも、俺の頭はどうしたらロキを殺さずに、済むかということばかり考えていた。
2度目の訪問、ロキの父は俺を出迎える。昔の熊のような大男は、おらず痩せた老人がいるだけで、拍子抜けだ。一方、ロキは鍛え上げられた体と、俺を警戒することをやめない冷静さを持っていた。普通なら俺の細い腕はロキに敵わないだろう。ロキがいない時に、ロキの父を殺そうと村を見回りながら、策を練る。そのために、メモを丁寧に取っていた。その晩、村人の信頼を得るため、宴に参加する。馬鹿な村人は俺が村を褒めちぎるとすぐに、俺を警戒しなくなった。俺はザルだが、たくさん酒を飲んで酔った振りをして、テントに向かう。こんな状態のやつが、人を殺せる筈がないとロキに信じさせるためだ。ロキは自分達を侵略するかもしれない王国の使者がよろけたのを支える。どこまでも、優しい奴だ。俺はお前の父を殺そうとしているのに。ロキの変わらない優しさや正義感が昔とは変わってしまった俺に突き刺さる。
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