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第41話

首に残る痣があつい。 何人も屠ってきた汚い手や、復讐のために明け渡した体でさえここまで意識することはなかった。 あそこで死んでしまえばよかったのに。 俺はロキから大切な人を奪うだけだ。 それでもロキは俺を救おうとしてくれて、代償を支払う。 今も俺のせいなんて全く考えずに、自分を責め続けてるようだった。 表情は硬く、淡々と服を着替えている。 俺が無理矢理汚した無防備な肌が晒されて思わず目を逸らす。 それなのに俺は触れたいなんて欲が湧く。 それを抑えるために早々に寝転び瞳を閉じた。 暫くすると、横で震えるロキの気配を感じる。 温めてやりたくて手を伸ばしてやめた。 俺は触れてはいけない。 昔、彼の傷を利用して近づいた俺がロキを慰めたいなんてできるはずかない。 それでもどうにかしたくて声をかけると、 「ああ、大丈夫だ。」 と短い返事が返ってきた。 その声は抑揚もなく必死で感情を隠しているように聞こえる。 俺は大きいけれど頼りなくみえる背中をこっそりと見る。 その背中がお前にできることはないと物語っていた。 長い夜が明け、俺はテオの墓へ向かう準備をしているとロキも同じようにしていた。 墓まで道を歩く間、一言も喋らず足を進め続けた。

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