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2話 それから

 金山が退院してから、俺たちの二重生活は始まった。  学校では今まで通り俺が殴られる。そして放課後に金山が俺の家にやってきて、その身体を殴る。 「今日のみぞおちへのキックは効いたな」 「う、ぐっ!」  今日も学校での金山の暴行をなぞる様に、金山の身体に傷を付けて行く。  学校での俺のようにうずくまって抵抗しない金山は、ただ痛みに耐えている。その脇腹を蹴って、腹にパンチを落とす。 「腹もしつこく殴ったよな?」 「ぐぅ、うっ」  馬乗りになり何度も腹を殴る。すると金山の興奮が伝わる。 「もうこんなにしちゃって、我慢できない?」 「んっ、んんっ」  わざと腰を上下させると、色っぽい声が漏れる。  そのまま立て続けに殴っていると、身体が大きく震えた。 「んぁ〜〜っ!!」 「ははっ、イっちゃった?」  金山は、痛みが快感になる。その痛みが強ければ強いほど、喜ぶ変態だ。  そのまま意識を飛ばした金山を放置して、シャワーを浴びる。 「いてて、」  昼間、金山に殴られるた場所が痛む。俺は痛みが快感には変わらないので、ただ痛いだけだ。  金山という、訳の分からない男を俺のものにしたかった。それは、思ったより簡単に手に入った。あのギラついた目がほしかった。俺が殴るとより一層際立つ、欲望に塗れた目。それが俺を虜にさせる。  シャワーから上がって、気絶というよりただ眠っている金山を眺める。顔立ちは整っていて、ブリーチのし過ぎで白くなった長めの髪は、傷んでいるのに柔らかそうで、思わずそれを撫でてみた。キシキシとしているが、柔らかさも残っていて悪くないなと思う。  床に寝転がっているのは何となく可哀想なので、ベッドからタオルケットを引っ張り出すとその身体にかけてやる。  俺も金山も一人暮らしなので、このまま夜を明かしても誰にも咎められる事はない。  俺はベッドに入ると、数秒も経たずに眠った。  翌朝目が覚めて、金山が床でぼーっとしているのに気が付いた。 「金山?」 「っ!」  こちらを見ると、いきなりポロポロと涙を零し始めたので、驚いて近くに行く。 「どうした?」 「ふっ、う、ぅく、」  昨日殴った所が痛いのだろうか? いや、こいつはそれを喜ぶんだから違うだろう。  何となく脚を気にしているようだったので、タオルケットをめくると、床が濡れていた。一瞬それが何だか分からなかったが、匂いからしてもおねしょをしたのだろう。 「シャワー浴びてくれば?」 「ぅう、く、うう、」  まだ泣き続ける金山を見ながら、予想外の事では快感にはならないのかと思う。もうすでに俺はおむつへのおもらしを見ているので、何とも思わないが。 「それとも、このままいじめられたい?」 「ふっ、う、」  俯いていた顔を上げると、欲望が灯っていた。びしょ濡れのスラックスのそこを撫でると、身体をビクつかせる。 「精液だけじゃなく、おしっこももらしちゃう、いけない子にはお仕置きだよな」 「んっ、あっ、」  スラックスと下着をまとめて脱がせ、既に勃ち上がっているそこをピンと弾く。それだけでどぷっとカウパーが溢れて、そのちょろさに笑ってしまう。  前はもう触らずに、指を舐めて肛門に這わせる。 「んっ! あんっ、」 「喜んでたらお仕置きにならないだろ」  無理矢理後ろを貫こうと思ったが、これも望みのうちだったようなので、喜ばせただけだ。その証拠に、前は今にも爆発しそうに腫れ上がっている。  よく解しもしないそこに、自身をあてがい腰を進める。 「あっ! んん〜〜っ!」 「まじか」  金山は肛門から血を流しながら、果てていた。  俺はその狭さに痛くて腰を進める事ができずにいたが、しかし無理に動かすと、血液でだいぶ滑りがよくなってきた。 「んぁっ、あっ、あんっ、」 「ケツから血出して喜ぶとか、普通に引くわ」  金山の陰茎はまた硬く勃ち上がって、蜜を零している。痛みだけを与える様に、何度も強く腰を打ちつける。その征服感に、俺もだんだん気持ちがよくなってくる。 「あっ、んあっ、あーっ!」 「またイくのか?」  金山は二度目の吐精をすると、うっとりとした表情をする。ぞくりとして、思わずその首を絞めた。 「んっ! んぐっ!」  苦しそうに俺の腕を外そうと藻掻く手は、それでも本気じゃないのが分かってしまう。もしも俺に殺されても、こいつは喜びそうだな。  金山の何度目か分からない射精を見ながら俺も果てた。  ずるりとそこから自身を引き抜くと、赤と白が混じった体液が流れ出てくる。 「痔になったかもな」 「⋯⋯ははっ」  金山はただ笑っていた。絶望的に頭がおかしいのだろうと思った。

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