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5話 翌日
翌日、俺たちの顔は腫れ上がり、とてもじゃないが登校できる状態じゃなかった。金山に関しては喧嘩は日常茶飯事だし構わないのかもしれないが、少し前に停学処分を食らったばかりだ。大人しくしているに越した事は無い。
そう言う訳で、昨日から泊まっている金山とだらだらと過ごしている。
「金山、昼飯何食べたい」
「は? 別に何でも良い」
夕食は食べずに寝たが、朝食の時も同じ返事で、結局俺が食べたかったトーストとスープ、サラダを用意したら妙な顔をしながら黙ってそれを食べていた。
昼食も勝手に準備するか、とベッドから起き上がる。ちなみに金山は今回も床で寝て、おねしょはしなかった。
米を研ぎ、炊飯器をセットすると、焼き魚、だし巻き玉子、みそ汁を作る。一人暮らしも二年目に入ると、自炊も自然と上手くなる。買って来る惣菜より、自分好みの味付けができる方が良い。
「⋯⋯何か手伝うか」
「ん? じゃあ卵割って味付けしてて」
「何入れるんだ」
「だし汁、醤油、砂糖、塩。量は言った通りに入れて」
「分かった」
隣で作業する金山は、普段と違い落ち着いていて、料理にも慣れている様に見えた。
学校をサボって、二人して何を健全な事をしているんだろうなと笑ってしまいそうになる。金山と俺は友達ですら無い。こんな、普通の会話をして俺は何をしたかったんだろう。
調味した卵液を受け取ると、サラダ油を引いた卵焼き器で焼いていく。金山が側で見守っているので気が散るが、いつも通り上手く焼けたと思う。米も炊き上がった様なので、全ての料理を皿に盛り付け、ローテーブルに運ぶ。金山も運ぶのを手伝ってくれた。
「いただきます」
「どうぞ」
変な所で行儀の良い金山は、きちんと挨拶してから食べ始める。
「水沢は料理が上手いな」
「お前も慣れてそうだったけどな」
「俺も料理はするけど、ここまで上手くはない」
手料理を褒められて、俺は嬉しいんだろうか。良く分からない。
「料理できるなら、夕食はお前が作ってよ」
「上手くはないって言ったろ。それでも良いなら作るけど」
「食えるレベルなら構わない。冷蔵庫の物とか勝手に使って良いから」
「分かった」
このもやもやした気持ちは何だろう。普通の友達の様な、気安い会話に違和感しかない。
食後、俺が食器を洗い、金山が布巾で拭くと言う流れ作業ですぐに片付いた。満腹感で、また眠くなる。
「なぁ、⋯⋯今日は殴らないのか」
「それ以上酷い顔になっても良いのか」
「⋯⋯それでも良い」
ベッドに寝転んだ俺を見詰めて、金山が心細そうに言う。居心地が悪かったのは、金山も同じなんだろうな。
「ふっ、今日は殴らない」
「何で!?」
「お前の反応が面白いから」
「⋯⋯?」
良く分からない、と言う表情をしている。俺だって、俺の本心が分からないのだから許してほしい。
「あ、お前もベッドで昼寝するか?」
「今日の水沢、おかしい⋯⋯」
「褒め言葉として受け取っておくよ」
そのまま、俺は眠った。
次に目が覚めたら、隣に金山が寝ていてかなり驚いた。確かに一緒に寝るかと言ったのは俺だが、真に受けるとは思わなかった。
シングルベッドなので狭そうに眠っている。くうくうと静かな寝息を立てていて、顔が腫れているのに、その穏やかな表情とミスマッチだなと思う。寝顔をじっと見詰めて、唇にキスをする。そういえば、キスはした事がなかった。当然だ、俺たちは恋人じゃないのだから。
その鼻を摘んでみると、息苦しさで目覚めた金山は、こちらを見て慌てている。
「ごめ、ん、勝手に⋯⋯」
「いや? 俺が言ったんだろう」
一緒に寝た事を謝っているのなら、難儀な性格だな。
そのまま、覆い被さりキスをする。
「ん、ふっ、」
舌を絡ませ、深く口内を探る。唾液を飲んで、唇を離すと上気した顔と目が合う。
「抱かれたい? 抱きたい? どっち?」
「⋯⋯どっちも」
「ふっ、欲張りだな」
自分のTシャツとジャージを脱いで裸になると、金山に貸したスウェットのズボンと下着を脱がせる。少し兆しを見せている陰茎を口を含み、舌を這わせる。
「んっ! んんっ!」
口の中で果ててしまわない様に加減して、完全に勃ちち上がると口を離す。指を舐めて、自分の肛門を軽く解すと金山を中に招き入れる。
「あっ、んあっ!」
深くまで挿入すると痛みとは別に、じんわりと快感が這い上がって来る。腰を上下させて、その快感を追う。
「あんっ、あっ、ん、」
昨日も思ったが、とても人を抱いてるとは思えない喘ぎ方をする男だ。
腰を振りながら、ぞくぞくとした気持ち良さに、クセになりそうだなと思う。
「あー! んん〜〜!」
一度目の射精があり、自然に尻から抜けてしまう。そこを何度かしごき、硬さを確認すると再び中に入れる。
「俺がイくまで付き合ってもらうぞ」
「んっ、あっ、」
もう痛さは無くなったので、大きく腰を動かし、ひたすら快感を高める。後ろだけでイけるかは疑問ではあるが、この際試してみるのも悪くない。
「ぁん、あっ、んぁ、」
深く腰を落として、気持ち良い所に当てる。ぐりぐりと動かしたり、激しく上下させたり。好き勝手に動いていると、二回目の射精があった。
「絞り取ってやるからな」
「んっ、あっ、んんっ」
今度は中で大きくなったのを感じ、動きを続ける。
「ふっ、は、」
俺もかなり昂ぶって来ていて、やはり後ろだけでは物足りないので自分の陰茎も弄る。
前をしごきながら、後ろを思い切り上下させると、目の前がスパークする。
「うっ、」
どろりとした精液を吐き出して、後ろには金山の射精を感じる。後ろから抜くと、尻からごぷりと大量の体液が太ももを伝って、何となく今朝から感じていたもやもやが晴れた気がする。
「入れるぞ」
「あっ、んんっ〜!」
溢れ出る体液もそのままに、金山のそこを解す事無く、挿入する。痛いだろうに、金山はすぐに吐精した。構わずそこをガンガンと突く。
「あっ、んっ、あんっ、」
ふと思い立って、首すじに思い切り噛み付くと、口の中に血の味が広がる。
「あっ! んん〜〜!!」
それだけで、金山はまた吐精した。もうほとんど色も量も無くて、本当に絞り取ってやったなと思う。お互い汗だくになりながら、快感だけを求めて腰を打ち付ける。
もうすぐだ、と思って金山の首を絞める。
「ぐっ、」
今日は抵抗は無くて、苦しそうな表情と共に後ろも良く締まる。深く突き上げて、射精する。
金山のそこからは、薄黄色の液体が零れていて、首から手を離すとゲホゲホと咳をして、もらした事には気付いていない様だ。
「あーあ、またおもらししちゃったな」
「げほっ、えっ、あ、」
成すすべも無く全て出し切った様で、ベッドは尿と精液と血液で悲惨な事になっている。マットレスは買い替えて、次から防水シーツでも敷けば良い。
「ごめん、なさい……」
「ふっ、」
律儀に謝る金山はしょんぼりしていて、何故だか可愛くなってしまう。
その唇にキスをすると、ぽかんとした表情をしている。
「夕食、作ってくれるんだろ?」
「えっ、ああ、うん」
金山の手料理を楽しみにしてる俺がいる。
果たして、これはどんな名前の付く感情なのだろう。
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