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第24話 “特別”って?
「いった」
ひりひりと痛む頬。風が吹くたびに、じんと痛んだ。
「誰もお前なんて信じてくれないよ。望月先生とか、特に嫌ってそうだもんな」
その言葉を聞いた瞬間、自分でも制御できないほど、頭が熱くなった。
気づいたときには、既に手が飛び出していて。自分の握った拳が震えていた。
「こんなことしていいと思ってんのかよ」
情けないほど震える男たちが、しりもちをついてこちらを見ている。
「……俺と先生の何が分かるんだよ」
さっきの『嫌ってそう』という言葉がぐるぐると駆け回る。
否定したい。違うって言いたい。なのに、そう思ってしまう自分が確かにいる。
「矢島。何をしている?」
背後から聞こえた、震える声。振り返ると、温度を孕んでいない、冷たい目で俺を見ている先生がいた。
「大丈夫か?」
先生は怪我をしている俺ではなく、しりもちをつく三人の方に真っ先に近づいていく。
「矢島。説明しなさい。これはどういうことだ?」
喉に言葉が貼りついて、上手く出てこない。
なぜなら、その行動、声色、瞳がすべてを物語っていた。
先生は俺を嫌っている。
俺なんて信じていない。
俺は先生の”特別”なんかじゃない。
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