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第7話

「どうぞ。」 「失礼します。」 すっかり酔いの覚めたシマさんは、体を縮こませながら玄関に入る。 靴をきちんと揃えているとこに育ちの良さが伺えた。 俺は洗面台、トイレなど一通りの場所を教える。 「あったばかりなのに、家に泊めてもらうことになってしまって本当にすみません。」 シマさんはここに来るまでの間も何回も謝ってきた。 そんなに遠慮しなくてもいいのに。 でもそんな態度に彼の謙虚さが滲み出ている。 「俺も楽しくてシマさんと話し込んじゃったので気にしないでくださいよ。」 そう言いながら俺はバスタオルでを手渡す。 酔って湯船に浸かるのは危ないからシャワーのみでいいだろう。 「ありがとうございます、、、。」 シマさんは俺からバスタオルをおずおずと受け取り、風呂場に向かっていった。 着替えは俺のを適当に置いておこう。 さて、問題は寝床だ。 学生の一人暮らしなので部屋は決して広くない。 それに俺は来客用の布団なんて持っていなかった。 確かどこかに寝袋があったはず。 シマさんにはベットで寝てもらって俺は寝袋で寝ればいいか。 俺が寝袋を探してる間にシマさんはシャワーを浴び終えて、こちらに向かってきた。 「シマさんはベットで寝てください。俺は寝袋で寝るんで。」 「いや、そんなの申し訳ないですよ。僕が寝袋を使うので、ミツルさんはベット使ってください。」 こんなとき、ヒロなら「サンキュー」とか言って秒でベットに寝転ぶ。 流石に客人を寝袋でなんて寝かせられない。 でもシマさんの性格上、絶対譲らないだろうな。 「わかりました。じゃあ、一緒にベット使いましょう。」 俺の発言にシマさんは何か言おうとしたけど黙る。 他にいい案なんて思いつかなかったらしい。 「シャワー浴びてくるんで先に寝ててください。」 俺がそういうとシマさんはおずおずと俺のベットに横になっていた。 シャワーを浴びて寝る準備を終えてベットに向かう。 掛け布団の膨らみが人がいることを示している。 「失礼しますね。」 と言いつつ、シマさんの隣に寝転ぶ。 やっぱり男2人で同じベットに寝るのは無理があった。 少し狭くてシマさんの肩とぶつかってしまう。 ズビ 鼻を啜る音が俺の隣から聞こえてきた。 失恋の傷は簡単にはいえない。 こんなときは人肌が恋しくなる。 冷たい肌をあっためたくて、俺はシマさんの背中に抱きつく。 「シマさん、慰めてあげようか。」

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