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第17話

「はい、曲げて伸ばして」 あの日から俺はリハビリを始めた。 俺の体は全く別のものになったみたいだ。 松葉杖をついて登校した俺を友達は心配してくれる。 教科書を持ってくれたり、掃除の時に机を運んでくれたりした。 俺が本気で陸上に取り組んでたことを知ってる彼らは口々に 「次があるから頑張れよ。」 「応援してるからな。」 なんて声をかけてくれる。 俺は心配をかけたくなくてリハビリ期間のことは話してない。 次なんてないのに。 彼らの純枠な励ましが俺を苦しめる。 涙が出そうになるのを笑って誤魔化す。 「ありがとな。まあ、休み貰えたから前よりもお前らと遊べるようになったし、ラッキーだわ。」 こんなこと思ってない。 最近、友達といるのがつらくなってきた。 心配してくれる友達を煩わしく思うなんて、怪我が俺を卑屈にしてしまった。 それから俺は段々と彼らと距離をとっていく。 そんな中でヒロだけが前と変わらずに接してくれた。 「今日の山川の現文、マジで眠かったわ。」 「今日はじゃなくて今日もだろ。」 「違いない。」 なんて全く怪我と関係ない話しかしてない。 このときだけは俺は昔と変わっていなかった。 ヒロは何にも考えてなかったかもしれない。 でも、俺はヒロの態度に救われたんだ。

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