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第12話
ひどい頭痛で目が覚める。
やっぱりお酒なんて飲むものじゃない。
心配そうな顔の小野寺さんが俺の顔を覗き込んでいる。
いつもより近い距離に俺の顔は熱をもつ。
「清、大丈夫?」
なんと、小野寺さんが敬語が外れてて俺の今にしては古風な本名で呼んでくる。
酔っ払った俺は何を言ったのだろうか。
「あの、おはようございます。昨日はすいませんでした。小野寺さん。」
小野寺さんはきょとんとした顔をしたあと、ため息をつきながら言った。
「昨日のこと、覚えてないんですか。」
「はい、、、。全く覚えてません。」
敬語になった。
いつもの小野寺さんだ。
話を聞くと、酔っぱらいの俺はこう言ったらしい。
「小野寺さんは、いつも敬語だから距離ができてて、寂しんです。俺に敬語なんて使わなくていいのに。同い年なんだし。俺は今から小野寺さんに敬語使わないから小野寺さんもやめてね。」
小野寺さんは、遠慮したが俺は聞かずに、騒ぎ出して近所迷惑になるため渋々聞き入れたらしい。
「わかったよ。キヨさん。これでもいいの?」
「ダメ!呼び方がやだ。さんとかいらなし、キヨって呼んで。」
小野寺さんが優しいので俺はどんどん甘えてしまったらしい。
小野寺さんが観念して、キヨと呼んだ。
「なんか、バンドメンバーと同じ呼び方でつまんない。清がいい。」
なんて我儘なやつなんだ。
穴があったら入りたい。
ここで小野寺さんは俺に
「どうして、fat catのメンバーと同じ呼び方をしてほしくないの?」
ときいたら、俺は寝てしまっていたらしい。
ここまで聞いて俺が悶えていると、小野寺さんが真剣な顔をして言った。
「どうして俺には清って呼んでほしんですか。」
その目に見られると俺は逃げられない。
小野寺さんはずるいのだ。
俺は何回めかの覚悟を決めて口を開く。
「俺は小野寺さんがライブハウスのどこにいても、見つけられます。小野寺さんのことを考えるとドキドキします。それに連絡が、こないと寂しくなります。俺も小野寺さんのこと親友だって思ってます。」
言えた。
俺が一仕事終えた達成感にひたる。
なのに、俺の発言に小野寺さんはポカンと口を開けている。
思っていたのはとは全く違う反応に俺は戸惑う。
え、友情を認め合う感動シーンじゃないの?
「どうしてそうなるんですか!」
小野寺さんの聞いたことない大声に俺は驚く。
すると、小野寺さんは俺を抱き寄せる。
近い。
小野寺さんの肌の温もりや、吐息を感じる。
心臓が壊れたみたに脈打つ。
「キヨさんの心臓の音すごいですね。いいですか。親友には人はそうならないんです。」
小野寺さんも心臓の音が凄い。
「俺の音もすごいでしょ。俺はキヨさんが恋愛的な意味で好きだからこうなるんです。キヨさんはどうなんですか。」
恋愛的な意味で好き、、、。
俺は晴彦さんも真也さんも尊敬してるし、好きだ。
けど2人と抱き合っても、こんなに緊張しないだろう。
俺の中でずっとしっくりこなかった小野寺さんの存在が決まる。
「俺もです。」
俺がそういうと小野寺さんが顔を近づけてくる。
俺は目をつむる。
唇にフニっと柔らかいものが一瞬、触れた。
その感触はこれからの新しい2人の関係性を語っていた。
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