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第14話

高校に上がる頃には、ハルは技術も追いついて誰がみても天才だった。 俺はそんなハルの隣にいつづけたくて必死にドラムを叩く。 「俺とバンドやらね?」 ハルはコンビニに行くみたいなテンションで俺を誘ってきた。 ハルと同じバンドで演奏できるなんて、願ったり叶ったりだ。 もちろん、俺は二つ返事で了承する。 「いいぜ!」 昔からハルと仲のよかった奴を加えて、俺達はバンドを始めた。 バンド名は俺の飼ってた猫が太ってるとかいう理由からfat catなんてふざけた名前をハルがつけた。 今もロゴで使われている下手くそな猫の絵は俺の飼い猫をハルが描いたやつだ。 ただ、そんな日々はそう長くは続かない。 もう1人のメンバーとハルの熱量の差から亀裂が入りはじめる。 もともと女にモテたいという理由でやっていた彼とハルとは全く噛み合ってなかったのだ。 「なんで練習来ないんだよ!」 「ごめん、彼女から連絡きちゃってさ。」 彼女を理由にバンドの連絡に来ないことがしょっちゅうあった。 こんなに蔑ろにされると流石の俺もムカつく。 ハルも限界だったのだろう。 「お前、もう来なくていいよ。」 酷く冷たい言葉を彼に投げつけた。 彼はいつもと違うハルの様子に一瞬怯んだ。 けど、すぐに 「二度とこんなとこ、来ないわ!」 そう吐き捨てスタジオを出ていった。 ベースを失った俺たちのバンドは演奏できなくなってしまった。

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