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そんな負の感情を渦巻きながらも下された命令をしなければ、客をまた怒らせてしまうことになると愛賀は犬で言う前足を使って拭こうとした。 ところが、今の体勢を維持するために両手で支えてないと難しく、手が使えないとなると顔で拭かなければならない。 自分が出したものとはいえ一般的には目を逸らしたいほど忌避するものだ。それをタオル越しとはいえ、見ていなければならない。 なんという屈辱だ。だが自分がしてしまった罰だ。払拭しないと。 床から離していた顔をそっとタオルに置いた。 さっき拭いてまだ乾いていなかったのも含め、こうしている間にも吸い取ったのだろうと思われる湿った感触が伝わり、その不愉快さに鳥肌を立てたが、自分を誤魔化して拭くことに努めた。 「ココを躾けないとな」 パシパシと剥き出しの玉袋を軽く叩いた。 軽くとはいえども何を使って叩いているのか分からず、しかし今からされるだろう躾に一気に緊張し出した。 ぴたとそれが玉袋に触れ、離れたその瞬間。 バシッ 「⋯⋯ッ!!」 急な激痛に声にならない叫びを出した。 思わず背中を反ってしまうほどの猛烈な痛みに拭くことを忘れ、身悶えしていた。 「尻を下ろしてんじゃねぇッ!」 「ん"ぅ"!!」 鋭い痛みが生じ、悲鳴のような呻き声を出した。 「下ろすなと言ってんだ。またココに鞭を打たれたいのか」 急所を痛めつけているのは鞭だったようだ。その存在を知らしめるように打たれてじんじんと痛む玉袋をそれで擦り付けるように触っていた。 痛い。怖い。もう打たれたくない。 すっかり怯えた愛賀は再び臀部を高く上げては、汚してしまった床を拭くことに専念した。

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