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「二度も同じことを言わせない賢い犬になれよ。さもないと、赤くなってるココをもっと血が滲むほど赤くさせてやるからな」 ペチペチと今にも何発か打ちそうに軽く叩くその動作に、「わぅ⋯⋯」と震えた声で返事をした。 「それにしてもさっきから鞭で叩いているから、りんごのように真っ赤に腫れて可哀想になぁ。 こんなところ叩かれたら溜まったもんじゃないから、普通自分で弄ったりもしないだろうが、お前はどこで覚えたんだろうな。そもそもメス犬なのにおかしいなぁ?」 叩く鞭に力が入ったようでその伝わる感触にビクつかせた。 「ほらほら、もたもたしてないでさっさと拭けよ。もう一度打たれたいのならそうしててもいいんだけどな」 パシッと軽くでありながらも叩き、臀部をきゅっと締めた。 あんな痛いことはもう二度と味わいたくない。 顔全体を使って、されど呼吸を止めて焦りながらも何とか拭いた。 「顔を上げろ。⋯⋯犬にしてはまあまあ拭けたってところだな。二度とやるなよ」 「わふ⋯っ」 「じゃ、そのタオルを元にあった場所に置いておけよ」 え、と声を漏らしそうになった。 口は口枷をさせられ、咥えることもできず、かと言って握ることができたとしても犬で言う前足で掴もうとしたら、「犬がやることではない」と鞭を打たれかねない。 今していることもはたして犬がやっていることだろうかと疑問を抱いてしまうが、粗相してしまったのだからすべきことだということにした。 目の前の吸い取ってすっかり濡れたタオルを見下ろす。 握れずとも咥えられずとも他の方法で移動させることが出来るのか。 それとなしに揃えた前足でちょんちょんと触れた時、思いついたような気がした。 なるべくタオルを前足で近づけさせ、そして口枷を使って前足に乗せた。

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