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時間かけて乗せられたことに嬉しく思った愛賀は、前足を揃えたまま引きずる形で風呂場へととことこ歩いていこうとした。 ギュウッと両乳首が強くつねられた。 そこで柱とリードが繋がれていたことを思い出した。 下腹部も未だに痛みで熱を持っているせいで、そこの痛みが鈍くなっていたために失念していた。 さすがにこれは客に取ってもらわないとどうにもならない。 「くぅん、くぅん」と鳴いて、身体を引っ張ってリードが繋がれていることを強調してみせた。 「なんだ、甘えた声を出して。助けてやらないからな。⋯⋯ああ、リードで繋がれて行けないって? 仕方ない取ってやるよ」 そこで一悶着あるかと思ったが、意外とあっさりと取ってくれた。 が、クリップが外れた時、「んッ」と思わず声を出してしまった。 しばらくの間挟まれていたことにより敏感になっていたのだろう、ほぼ無意識に出してしまった声に恥ずかしさを覚えていた。 「クリップを外しただけで汁を垂らしやがって。お前は本当に手間のかかる変態犬だな」 見下ろしてくる客の声音がどことなく怒っているように聞こえ、怯えた目で見つめた。 「どう言ったらお前は俺の言うことを聞けるんだ?」 「⋯⋯っ」 「ところ構わずマーキングするよりもお前は先にやるべきことがあるだろう。さっさとやってこい」 持っていた鞭を床に打った。 ビクッと跳ねさせたものの、すぐにやらねばと落としていたタオルを再び乗せ、なるべく早く脱衣場に向かい、タオルを置いて犬のように駆け足気味に客の前に戻ってきては前足を揃えて腰を下ろした。 「犬らしい座り方をしているじゃないか。また鞭打ちしようと思ったが、気が変わった。やれば出来るじゃないか」 さっきの声音とは打って変わって幾分か穏やかな声で頭を撫でてきた。 半ば無意識にした座り方ではあったが、結果として客が喜んでくれて良かった。 撫でてくる手が心地よく感じて、「くぅん」と鳴いてその手に擦り寄せた。

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