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「今回はお前に他の躾も教え込んでおくか」 ぽんぽんと頭を撫でながらそう呟いた。 それは前よりも客と意思の疎通ができるということだ。 客の言われた通りの躾をやれれば、こうして褒めてくれたり、もう少し優しくしてもらえるかもしれない。 そんな僅かな希望を胸に客の次の言葉を待った。 客は置かれたままのエサ皿の一つを愛賀の前に置いてこう言った。 「エサ皿に顔を近づけ、尻を高く上げてしっぽを振ってみせろ」 「わふ」 玉袋に鞭を打たれる時の姿勢とは似て非なるものの姿勢で、言われた通りに頭を低くし、臀部を高く上げ、そして振ってみせた。 「それが『ごはん』だ。覚えておけ」 「わう」 合わせて『ちょうだい』の時は、揃えた前足を上げて手招く仕草をすることを教えられた。 「次はトイレしている時のポーズをしてみろ」 「わんぅ」 しゃがんで足を大きく開き、前足を胸の高さの位置に上げた。 「そのポーズに加えて、胸を突き出してみろ」 「わっう」 どういうことだろうと思いつつも、背中を反って胸を強調させた。 「それが『さんぽ』だ。お前のリードを付けるのはここだからな。分かりやすい合図だろ」 「はっ、あッ」 ぴんっ、とぷっくりと膨らんだ胸の頂を指で弾き、その唐突な刺激に声を漏らした。 「悦んで啼くのはいいが、お前は犬なんだから犬のように鳴けよな」 「わっ、わう⋯⋯っ」 分かったかと言うようにまた弾き、不意にされたことをまた人間のように啼きそうになるのを堪え、犬のように鳴いた。 「そのままついでに『トイレ』をやってみろ」 「わう」 その場に仰向けとなり、大きく足を開いて貞操具を両の前足でかく仕草をしてみせた。 「ちゃんと覚えてたな。偉いな」 まだこの仕草をするのは恥ずかしく感じてしまう。だが、客が躾けた通りのことをしたら嬉しそうな声を上げ、褒めてくれたものだから覚えていて良かったとこちらも嬉しくなり、「わんっ」と鳴いた。

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