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34.※嬉ション
ガチャ、と音がし、すぐさま顔を上げ、立ち上がった愛賀はしっぽを振った。
「あいが、いい子にしてたか」
「わんっ、わふっ!」
ご主人の姿が見えた途端、駆け出した愛賀は膝立ちをしてその足に擦り付けるように飛び跳ねた。
「って、おい、またお前はおしっこをふっかけやがって。本当にお前は懲りないやつだな」
「わんわんっ!」
だってご主人が帰ってきてくれて嬉しいんだもん。
今も怒りも叩くことなく頭を撫でてくるものだから、止まることなく興奮でご主人のズボンを濡らすこととなった。
「あーあ、すっかり濡れちまったな」
ベルドに手を掛けるご主人の傍ら、自由となった口でチャックを咥えた。
「脱ぐの手伝ってくれるのか」
「うっ、ん」
ジーッとチャックを下ろした。
自分がしたことがきっかけで慣れたチャック下ろしに、「お前は賢い犬だな」とぐりぐりと撫でてくれた。
嬉しくて喜びの声を上げていた。
ズボンを履き替えたご主人はベッドに置かれていたボールを手に取った。
「ボール遊びしたいか?」
「わんッ!」
「分かった。じゃあ取ってこい」
下から上へと投げたボールは弧を描いて愛賀の真後ろへ飛んで行ったのを駆け出していき、咥えてご主人の元へ走って行った。
「おお、早いな。ちゃんと取りに行けてえらいな」
「わんわんっ!」
手放しに褒められて嬉しそうに鳴いた。
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