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第50話

そろそろ会社の誘いを断り続けるのが 申し訳なくなってきていた。 その日も仕事終わりに連絡が来る 「今日行ける?」 一瞬、彼の顔が浮かんで それから首を振った。 「ごめん、今日は先約があって」 嘘では無い でも正直でもなかった。 彼には 「会社の飲みが入ったから今日は無理」 そう送った。 距離を少しだけ取ろうとした。 店では後輩に捕まった。 酔っているらしく距離が近い。 「先輩、写真撮りましょ」 断る間もなく肩を引き寄せられる。 パシャ そのまま何枚か撮られて 気づいたらアップされていた。 距離の近い1枚 少ししてスマホが震える。 彼からだった。 「どこ、迎え行く」 続けて 「場所教えて」 心臓が嫌な音を立てる 返信するよりも先に 酔いが冷める感じがした。 先輩がお会計済ませて解散した後 駅方面へ歩く。 「…おい」 声がする方に顔を向けると 彼がいた。 彼は少し足早で近づいてくる。 何も言わないまま 急に抱きしめられた。

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