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第51話
一瞬、息が詰まる
「何かされた?」
今までに聞いたことない低い声だった。
「…されてない」
腕の中で答える。
「酔って絡まれただけ、それだけ」
少し間があって腕の力が緩む。
「そうか…」
そこでようやく
彼が自分の行動に気づいたみたいで
1歩下がった。
「あ、いや…ごめん」
現実に戻った顔で慌てている。
その様子を見て
心の中で呟いた、
-こっちがびっくりしたわ
でも、それ以上は言えなかった
彼の手がまだ少し震えていたから。
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