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第76話

湯浴み(シャワー)室に入る前にまた揉めた。脱衣所に入るや否や、ケイレンが有無を言わせずジュセルの衣服を脱がそうとしてきたからだ。ジュセルは顔を真っ赤にしてその手を振り払った。 「ばっ、もう、自分でする!‥てかこっち見んな、恥ずかしいんだから!」 「‥‥どうせ今から、裸になるし、もっと恥ずかしいことするのに」 真面目な声でどえらいことを言われたジュセルは、いてもたってもいられなくなって、顔を両手で覆い座り込んだ。 「‥‥ケイレン‥俺、本当に何もかも初めてで、どうしていいかわかんねえんだから‥ちょっとは手加減して‥」 ケイレンは自分も床に座ると、ジュセルの手を取って顔を覗き込んできた。 「‥‥‥ごめん、無理。今、爆発しそうなのを抑えてるだけで精いっぱいなんだ」 そう言って顎に手を添え、深く口づけてきた。ケイレンの舌が口腔内の柔い粘膜をぬるぬると刺激していく。 「ん、ふ、」 「‥っ、ジュセル‥」 ケイレンはそのまま口づけをしながらするりとジュセルの衣服を剥がしていき、ジュセルがハッとした時にはすっかり丸裸にされていた。 (えっちょっと待って手際よすぎない?ケイレン童貞だって言ってたけど、マジ?そんなことある?) 「‥ケイレン、今まで性交したことあるの‥?」 疑念とともにジュセルがおそるおそる尋ねると、ケイレンはすかさず口づけてきた。唇をジュセルの唇や頬に触れさせたまま、囁くように返事をする。 「前も言ったけど、俺は今まで性交したことも誰かと恋人になったこともない。全部、ジュセルが初めてだよ』 顔の近くで動く唇にくすぐったさを感じながらケイレンの返事を聞いても、ジュセルは今一つ納得ができない。 「だって‥‥なんか、すごく慣れてる感じする」 ケイレンは唇をずらしてジュセルの耳殻をかしっと甘噛みした。思わずぶるっと身体が震える。 「そんなことない、俺だっていっぱいいっぱいだ。‥‥今だってジュセルの身体を見て‥ほら、こんなになってる」 そういってケイレンが顎で指し示した先には、ぎちぎちに勃起して陰裂(レム)から大きく飛び出している陰茎があった。ぬらぬらとしたそれは赤くそびえたっていて迫力があった。 「う、わ‥」 正直、ジュセルは陰裂(レム)の外にまで飛び出してきている陰茎を見るのは初めてだった。自分自身の陰茎が外に飛び出してきたこともないのだ。 もちろん、風呂に入るときにはこわごわと少しだけ陰裂(レム)のなかに指を入れて洗ってはいたが、その先にある(ホト)孔に至っては触ったことすらない。 (あ、やっぱり玉はないんだ‥) 前世の記憶からすると、陰毛の下にある陰裂(レム)を押し広げてそびえたっている陰茎は、自分の知っているものとは少し違ったもののように感じられる。 しかし、陰茎そのものの形などはジュセルの記憶にあるものと同じだった。血管の浮き出ている幹、えらの張った亀頭はつるりとしていて、その先にある小さな穴からは既に先走りがあふれ出ている。 下に行った目線を自分の股間にずらしてみれば‥陰裂(レム)から亀頭だけがぴょこりと顔を出しているのが見えた。 「あ」 思わず声が出たジュセルの視線の先を追ったケイレンが、それに気づいた。 「‥‥よかった、ジュセルも興奮してくれてるんだな」 ほっとしたように言うと、つい、と指を伸ばしてほんの少し飛び出ているジュセルの亀頭を優しく撫でた。ピリッとした悦楽がそこから生まれる。 「んあっ!」 自分の口から出た声に驚いて、ジュセルは両手で口を押えた。ケイレンはにやっと笑って言った。 「いっぱい、声出していいよ」 そして立ち上がると、ジュセルの手を引っ張って湯浴み室の中に入った。 「んんっ、ケイ、あっ」 「全部綺麗にしてやるからな‥ジュセル」 いい匂いの洗浄剤をもこもこに泡立てて、ケイレンは手のひらでその泡をジュセルの身体にたっぷりと塗り付けた。その手つきには無論色が含まれていて、ジュセルは怪しい手の動きに官能を刺激される。 「う、もう、自分でっ」 「ジュセル」 身体をよじって逃れようとするジュセルの身体を抱き込むようにして引き留められる。そのまま顎を取られて深く口づけられた、 息苦しさに開いた唇を割ってケイレンの厚い舌が入り込んでくる。ジュセルの舌の表面をなぞり、引き出すようにしてから吸われる。粘膜への刺激に目が眩むほどの悦さを感じて腰が引けた。 「ケ、ケイレ、やだ、」 「‥‥何が、やだ?」 狭い湯浴み室の中で、ケイレンはジュセルの身体と自分の身体を正面からぴったりとくっつけて立っている。いきりたったケイレンの陰茎はジュセルとケイレンの腹に挟まれて泡とともに擦られ、熱さを増していっていた。 たっぷりの泡を纏った手のひらで、ジュセルの背中を撫でるようにする。「ああ」と息のような声がジュセルの口から洩れた。 「触られるの、やだ?」 そう耳元で囁きながら、両手でジュセルの背中や肩、そして臀部を撫でていく。泡だらけになった身体同士が擦れあって、そこからもじんわりとした快楽が生まれてきた。ジュセルはもうくったりとしてケイレンに身体を預け、その手が動くたびに小さく喘ぎ続けている。 「ねえ、ジュセル何が嫌なの?」 意地悪そうにそう囁くケイレンに、ジュセルはやっとのことで応えた。 「‥や、っていうか、‥怖い‥おれ、自分で陰茎も(ホト)孔も、触ったこともないんだ‥‥」 つっかえながらなんとかそう言ってきたジュセルを、思わずケイレンはぎゅっと抱きしめた。 ————自分自身でさえも触ったことがない!何もかもケイレンが、初めてということか‥?! 思わぬ喜びにケイレンはしばらくジュセルを抱きしめたままじっとしていた。自分の陰茎がびくびくと震えているのがわかった。 ジュセルはといえばもう羞恥に震えるばかりだ。ケイレンはそんなジュセルの手を取り、耳元で囁いた。 「じゃあ、ちょっと自分で触ってみな?‥ほら」 湯で泡を流され、綺麗になった手を自分の股間へと移動させられる。ケイレンの手はジュセルの人差し指をつまんで陰裂(レム)へと導いた。ジュセルは目を瞑ってケイレンの胸に顔を埋めたままだ。 指が、すっかり外へ飛び出しているジュセル自身の昂りに触れた。ぴく、と身体が動いたジュセルに、ケイレンは笑ってジュセルの頭に口づける。 「きもちいいね、‥ほら、こっち」 指は少しぬるりとした陰裂(レム)を割って入った。身体が思わず硬直する。ケイレンは硬くなっているジュセルをあやすように、逆の手でゆっくり背中を撫でた。 そしてそのまま指をジュセルの(ホト)孔へと導いた。 (‥‥何年、ぶりだろ‥ここ触るの) 指先に触れる(ホト)孔は、形状は尻の穴に似ている。女性器とは違い、硬く閉じたままだ。だが、記憶にある尻の穴より少し縦長ではあった。 硬く閉じたその蕾に指先を這わされる。そこはすっかり潤んでいた。自分の指先であっても、触らされるとじくじくとした熱がこもっていく。 「‥‥ここに、挿入りたい」 ケイレンはそう言ってジュセルの顔を上に向けさせ、また深い口づけをした。上顎をぺろりと舐められ、舌の表面をさりさりと擦られれば腰が抜けそうだ。 「ふ、んっ、む、」 ちゅっと音を立てて唇から離れると、ケイレンはジュセルの指を離し自分の指で蕾の表面をするりと撫で上げた。甘い刺激に声が洩れる。 「んあ、」 「‥挿入ってもいい?」 ジュセルは息も絶え絶えになりながら、必死に頷いた。 (‥‥これで童貞って、どういうことだよ‥‥!?)

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