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『2日目』ー1
* * 二日目 * *
「おはよー」
と言っても、既に十一時近くでそれほど早くはない。
詩雨と遥人がなんとなく昨日の大広間にやって来ると、夏生とカイトもいてソファに座っていた。
昨夜料理が載っていたテーブルは、中央に一つだけになっており新しい飲み物が置かれていた。
冷たい水。緑茶、オレンジジュース、牛乳、コーヒーなどである。先に来ていた二人は既にそれぞれ飲み物を持っていた。
「おはよう、詩雨、ハル」
「おはよー、詩雨ちゃん」
詩雨はグラスに水を注ぎながら、
「あれ? リナは?」
リナの姿がないことに気づいた。
「昨夜から具合悪いみたいで、まだ部屋で寝てるよ」
「そうなんだ。大丈夫かな」
「珍しいな、リナが体調崩すなんて」
モデルとして何度も一緒に仕事をし、今は同じ事務所の仲間である遥人が言った。彼女が人一倍体調管理に心掛けていることを彼は知っていた。
「あとで柿沼氏に薬でも貰うよ」
社長の夏生も同様に思っているだけに心配そうに言った。
「それにしても……誰もいないなぁ……」
詩雨は自分たちしかいない大広間を見渡した。あれだけの人数がいて賑やかだったのが嘘のようだ。大広間だけではなく館全体が静まり返っている。鳥の声や蝉の声が聞こえるばかり。
「きっと朝方まで騒いでたから、今寝てるんじゃないかなぁ」
とカイト。
「そうかもな」
下界の夏は今日も猛暑だろうが、緑深いこの館の朝は実に涼しげだった。
詩雨と遥人は昨夜もいたテラスに向かった。昨夜は暗くて気づかなかったが、白木のテーブルとチェアが置いてあり、優雅な避暑地の雰囲気が更に感じられる。
グラスを持って移動して来た二人は、テーブルにグラスを置いてチェアに座った。
「気持ちいい風だなぁ」
「ほんと、涼しいですね。この時期エアコンなしで過ごせるなんて、東京では考えられない」
「なかなか雰囲気あるところだし、あとで柿沼さんに許可取って撮影させてもらおうか」
一頻りそこで寛いで室内に戻ると、ちょうど噂の柿沼が入って来たところだった。
「皆様おはようございます」
相変わらずの恭しさで挨拶をする。
「おはようございます」
一同もそれぞれ挨拶を交わした。
「一階の食堂でお食事のご用意をさせて頂きました。皆様どうぞお越しくださいませ」
朝食とも昼食ともつかない時間帯だ。そう聞いて皆自分が腹を空かせてることを知らされる。
「ありがとうございます」
「おや」
柿沼は広間にいる面々を見渡し、不思議そうに声をあげる。
「リナ様がいらっしゃらないようですが」
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