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『4日目』ー7

(これは詩雨さん、詩雨さんだ)  そう心中で唱えながら『詩雨』の身体を抱き寄せ、口づけを――しようとして。 「ちょっと待って」  とベッドから降りていく。  自分用の旅行カバンをがさごそと漁る。服を放り投げ、その他の日用品も投げ捨て、 「あった!」  綺麗に包装され、リボンの掛かった小さな箱を取り出した。 「ほんとはこんな場面で贈りたくなかったけど」  そう呟きながら、包みを綺麗に取り外す時間も惜しいというようにビリビリと乱暴に剥がした。  箱の中には、シンプルだけど高価そうな指輪が入っていた。値段のことだけでなく、遥人の想いも込められ、きらりと光る。  急いでベッドに戻り、その指輪を『詩雨』の左手の薬指に嵌めた。 (俺が愛しているのは詩雨さんだけだ!)  どうか、詩雨の魂に届きますように、と心の中で叫んだ。  ぎゅうっと詩雨の頭を抱き寄せ、その唇に口づける。それはすぐに激しいものになった。桜乃が驚いたのか、詩雨の身体が固く強張った。きつく結ばれた唇を無理矢理こじ開け、舌を絡めにいく。手はタンクトップを捲り上げ、女のものではない平らな胸に。慎ましやかにあるそれを摘み上げる。 「あ」  詩雨の喉奥から声が漏れる。繋がれた唇が戦慄(わなな)いた。 (たぶん、彼女の旦那は身体を気遣い、優しく抱いていたんだろうな)  少しの激しさでも驚きを隠せない彼女に、遥人はそう考えた。 (俺だって優しく抱いてやるさ。但し、『詩雨さん』が喜ぶような、俺流の優しさで……!)  唇を離すと、詩雨の一番感じやすい項を甘噛みした。それから少しずつ下りていく。喉許、鎖骨、胸。乳首に辿り着くと、口に含み噛んで引っ張る。その度に口から小さな声が漏れた。  その『身体』は反応を示していた。そこに手を這わすと、勃ち上がってきていた。 (詩雨! 目覚めてくれ!)  そう願いながら、愛撫を続けた。トランクスの裾から手を入れ、固く閉じた場所に触れる。その穴の周りを指先でなぞってから、ゆっくりと指を一本体内に埋め込んでいく。 「なにっやめてっこわい!」  感じている下腹部とは裏腹に、その声は完全に怯えていた。 「怖いなら出ていけ! これが俺の愛し方だ」 「…………」  桜乃は黙り込んだが、出ていく様子はなかった。  遥人はぐいっとトランクスを下げ、ベッドの下に放り投げた。二本目の指を挿入して、男が感じる器官に触れる。 「や、め、て」  二本の指で解したあと、猛った自分のものをその穴に当てがった。 (俺、えらいっ。この状況でも勃つなんて。でも、身体は詩雨さんなんだから) 「詩雨……!」  口から愛しい男の名を漏らしながら、ぐいっと力を込めて貫いた。 「いやあぁぁぁぁぁぁぁ」  甲高い悲鳴が室内に響き渡った――――。

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