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第4話(相手視点)

「同棲も解消した」 その言葉で、ようやく視線を向けた。 「へぇ」 「住む場所探してるところ」 そこでようやく気づいた。 -あぁ、なるほど 今日はそういう日か 俺はグラスを置いてあいつを見る。 「しばらくうち来る?」 一瞬、あいつの目が揺れた。 「…いいの?」 「仕事手伝ってくれたらな」 軽く言ったつもりだった。 でも、本気なのは自分が1番わかってる。 「割と本気?」 試すみたいな声 「割とじゃなくて、まぁまぁ本気」 そう言うとあいつは困ったように笑った。 「相変わらずだね」 「お前いると捗るから」 それだけでいい。 それ以上言ったら、もう戻れなくなる。 ソファの距離が、少しだけ近づく。 触れてはいけない。 けど、逃がす気はない。 -囲い直し、だなんて言葉は使わない。 ただ、必要なもの元の場所に戻しただけだ。 不味いワインの夜は そうして静かに、深く沈んでいった。

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