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第5話

朝の光は思っていたより静かだった。 カーテンの隙間から差し込む白っぽい光が 床に細く伸びている。 昨夜の、濃い葡萄色はもう残っていないのに 喉の奥にはまだ渋みが居座っていた。 寝がりを打って隣を見る。 そこに人の影はなく、残っていたのはシーツの皺だけだった。 そのままぼんやりしていたら、 だんだん眠くなってきて  布団に潜り込んで二度寝を決めることにした。 布団からは、あいつの匂いしかしない。 それが妙に心を落ち着かせて、気持ちを沈めてくれる。 こんなに気持ちよく眠れたのは、いつぶりだろうか。 ーそんなこと思っていたら 思い切り布団を剥がされた。 あまりの速さに驚いたが 誰がやったのかはわかっている。 「起きろ」 「無理、寒い」

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