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「じゃあどうしろってんだよ。さすがにこんな夜宴を開いておいて、おひとりでおやすみくださいは通じないぜ」
こげ茶の長い髪をひとつに結んだノーランはあらわになっている額を押さえて嘆いた。
ジェレミーのくちびるににやりと人の悪い笑みが浮かぶ。
それに気付いたノーランはイヤな予感を覚えて眉を顰めた。
「ちょっと待て、なんだその顔は……」
「あ? よせよ、おまえに褒められてもうれしくないし」
「だっれが褒めたよ!? ちがう、そうじゃなくておまえ、その顔はなんかよからぬことを考えていないか!?」
「大丈夫だ、うまくやる」
ジェレミーの答えを聞いてノーランはいっそう青くなった。
伊達に長く付き合いがあるわけじゃないと彼の顔には書いてある。それはもうはっきりと。
「やめろ、相手は王子殿下だぞ!? 下手を打てば罪に問われることだって、」
「だからうまくやるって言ってんだろ。いいか、相手はおまえの言うとおり王子殿下だ。それも確実にアルファの――俺の言ってる意味がわかるな?」
「無理だ。こんなこと言いたくないが、いくらおまえが大商人ダニド・クラヴェルの息子でも身分が違う。王子と番 になろうなんて――」
「俺もそこまで考えちゃいないよ。でもお手付き程度でも相当な褒美がもらえるんだろ? やらない理由はないよな」
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