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15.
昨日、街の商館のまえでカシウス王子を見て、彼がアルファであることは確信した。
くわえて現在彼に番がいないことも、供の者たちから聞き出した。
番 ――バース性のアルファとオメガのあいだで結ぶ、婚姻とは異なる親密な関係。
オメガに発情期があるのはアルファと番関係を結ぶためだと言われている。だからアルファはオメガの発情期に著しく反応するのだとも。
番になったアルファとのあいだにオメガは子をなすことができる。男女は問わない。番にならなくてもオメガは妊娠可能だが、アルファとのあいだのほうが可能性は高くなるらしい。
実は、将来のためにと考えていたのはまさにこのことだった。
オメガの自分が冷遇されずに生きてこられたのは親のおかげだ。そろそろ自分もなにか恩返しできればという気持ちもあった。
いまでもクラヴェルの商売に携わっているものの、発情期の時期には人前に出られなくなるため、できる仕事は限られている。そのぶん弟のリュッカががんばってくれているが、やはり引け目はある。
オメガの身では家を継いでクラヴェル商会の頭目としてやっていくことは無理であろう。そう早い時期から理解していたジェレミーは、どうすれば一番家のためになるかということを近頃とみに考えていたのだった。
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