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 ジェレミーは番こそ持っていないけれどそれなりにモテていたし、あらかたの経験は済ませていた。自分がどう着飾ればもっとも魅力的に見えるのかなんてことはとっくに把握済みである。  踊り子がまとうような薄物の上からマントを羽織り、フードで頭を覆う。念のため抑制剤も飲んでおくことにした。発情期の際、オメガの身体から発せられる誘引物質(フェロモン)を抑えるこの抑制剤は、オメガにとってなくてはならないものである。  もうひとつ、こちらもオメガの必需品といってもいいチョーカーを装着していこうかどうか迷った。  オメガのうなじをアルファが噛むことによって番関係が成立するゆえ、相手の決まっていないオメガは無理矢理番関係を結ばれないようチョーカーで自衛するのだ。 「……一応着けておくか、うん」  発情期のオメガをまえにしたアルファはオメガと同様に理性を失くすものだが、そうでなければそこまで心配することもない。  ただ今夜これから一戦交えようとしているのは王家の、それも世継ぎの君である。  万一のことがあっては我が身が危ない。

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