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 メールからノーランが様子を見にやってきたのは、ヴィドールと話し合った数日後のことだった。  ふたりはひさびさの再会と互いの健勝をよろこびあう。 「元気にやってるようだな。まあおまえのことだからなんだかんだうまくやっているだろうとは思っていたが……それにしても」  王城内のジェレミーの部屋に通されたノーランはぐるりと室内を見回し、複雑な表情を浮かべた。部屋にはカシウスから届けられた贈り物がところ狭しと並んでいる。  驚きと困惑と羨望の入り混じった顔の幼馴染へ、ジェレミーは肩をすくめてみせた。 「まぁな。俺が本気出したらこんなもんよ」 「ジェレミー……おまえ本気出すところ間違ってないか?」 「うるさいな」  いまジェレミーは、カシウスとの距離を取るために体調不良という名目で執務室への出入りを控えている。  そのことを心配したカシウスが見舞いだといってさまざまな品を送りつけてくるのだ。 「ふむ、それで? これほどの贈り物が届けられるようになるまでにはさぞかしいろんなことがあったんだろ?」  ノーランに訊ねられ、ひとまずここに来てからのことを話して聞かせた。  オメガとの接触がはじめてだというカシウスと少しずつ交流を図ったこと。徐々に打ち解けてきたはいいが現在少々困った事態になりつつあること。  ここに来たばかりのころ実家へ送った手紙の内容はノーランも知らされていたようで、話の理解は速かった。

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