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「てことはなんだ、いまカシウス殿下はおまえにご執心ってことか? やっぱすげぇな、おまえ」 「いやご執心ってほどじゃあ……ヤッてみたらなんか気になりだしたって感じだろう、たぶん」  部屋を埋める勢いのカシウスからの見舞い品という名の贈り物をざっと見回し、ジェレミーは答える。  そう、そうなのだ。  きっといまカシウスは、生まれてはじめてオメガの相手と性行為に及んだことによってアルファの自覚ともいうべきものが芽生えた――そういった状態なのだろう。  子どもが大人へと成長する段階で親に反抗的になったり、自分自身や他者のことを極端に意識してしまうあの時期と同様のことがカシウスに起こっているのだと思われる。  バース性に関していえば、オメガは発情期という体質変化があるため本人にもわかりやすいが、アルファにはそういった劇的な変化はない。強いていえばオメガの発情期に強く反応を示すようになるといったくらいか。  アルファの者は幼少のころから高い身体能力や秀でた才能などを発揮するらしいが、カシウスの場合、そもそも自分からなにかをせずともまわりがすべてやってくれるという環境で育ったのだから、それらを自覚する機会自体少なかったのかもしれない。  そのうえオメガとの接触も断たれていたとなれば、カシウスのアルファ性がいまようやく自覚されつつあるというのもいたしかたないといえた。  ジェレミーの話す憶測に、ノーランは呆れて目を見開く。 「そりゃおまえ……あかちゃんじゃねぇか……」 「一国の王子相手にあかちゃんとか言うなよ、不敬だぞ」 「おまえが言うと重みがあるな」 「黙れよ」  それからしばらく近況を語り合った。  カシウスのことだけじゃなく城の様子や城下の街のことなど、ひさしぶりに気の置けない友人と過ごす時間はここ数日なんとなくモヤモヤした気持ちでいたジェレミーにとってことのほか安らぐものだった。  故郷では父や母、それに弟のリュッカも元気にしているらしい。それを聞いてほっとした。深刻に悩ませていたら申し訳ないと思っていたが、ノーランと同様に自分ならうまく切り抜けられると信じて待ってくれているとのこと。そんな家族の想いが心底ありがたく感じられた。

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