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 ノーランの訪問があった翌日には、ちょっと気になることが起きた。 「実は殿下が体調不良で臥せっておられてな」  朝からジェレミーのところへやってきたヴィドールが告げる。 「えっ、大丈夫なんですか?」  心配して訊ね返すと、ヴィドールは近頃クセになっているらしい渋い顔をして額を掻いた。  カシウス第一のこの側近にしてはやけに落ち着いている。なにか事情でもあるのかとさらに話を聞こうとしたら、ヴィドールは朝だというのに疲れた顔をして続けた。 「すまんがジェレミー、見舞いに行ってくれ」 「そりゃあ行けるのであれば行かせていただきますが……よいのですか?」  カシウスとの距離を取るようにという話し合いをしてからまだ十日と経っていない。  その間まったく会っていなかったわけじゃあないが、言葉をひとつふたつ交わすくらいで、彼のまえから辞去する際には大変にうらめしそうな目を向けられてもいた。 「自分ではどうにもならん。頼む」  そう言ってヴィドールは肩を落として去っていった。  常にないその様子は気にかかったが、とにかく頼まれた以上は行くしかない。

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