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98.
「カシ……ウス?」
人影が寝台に乗り上げてくる。
動けない身体にのしかかられて、肌をまさぐられた。
なにかを考えるよりも先に身体が反応し、くちびるから熱い吐息が漏れる。
「ふ、……ん、ぁっ」
ひととき乾いていた後孔に指を突っ込まれると、そこはまたすぐにぐちゅぐちゅといやらしい音を立てて汁気を増した。
否応なく性感が高まってゆく。
早くそこを埋めてもらいたくて、ジェレミーは誘うようにして腰を浮かせた。
腕にカシウスのシャツを抱いたままで。
「あ、挿れて……っ、そこ、おねが……早く、ぅ……カシウス……!」
部屋は互いの顔さえはっきりと見えないほど暗かった。
けれど、そんな暗闇のなか、自分を組み敷く相手が哂ったように、見えた。
そこでようやく、ジェレミーは相手が誰であるかわからないことに気付く。
気付いたけれど、遅かった。
「あ……? え、や、……んああぁっ」
ぐっと両脚を折りたたまれ、一気に貫かれた。
満たされない身体の奥まで満たされた、そう感じられたのは一瞬だけで、相手の獣じみたうめき声を耳にして全身が総毛立つ。
「おう……いい孔だな……!」
「な、なに……っ、誰……!?」
恐怖と快感、理性と本能が目まぐるしく頭のなかを交錯していた。
ジェレミーは混乱し、縋るようにしてカシウスのシャツを掻き抱く。
肌を暴こうと伸ばされた男の手がそのシャツを鷲掴み、乱暴に剝ぎ取った。
「や、やめて……返して……カシウス――!」
「うん――? あぁ、これはヤツのか」
ふんと鼻先で哂われて、ジェレミーは絶望に突き落とされた気がした。
カシウスじゃない。
これは、この人は、カシウスじゃない――!
またじわじわと思考を覆い尽くすような熱に侵されながらも、それだけが頭のなかで明滅する。暗闇のなかで藻掻こうとすれば頬を殴られた。
「こんなシャツ一枚では巣も作れまい――憐れなものだ、なあ?」
この声は。
この声は、この声は……この人、は……!
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