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「ニコラウス、卿……!?」 「なんだ、淫売のくせにまだ理性が残っているのか、つまらん。オメガの分際で気安く名を呼ぶな、汚らわしい」 「や、やめ、」 「淫売は淫売らしくしていろ。具合が良ければ囲ってやってもよいぞ――そら、これが好きなのだろう?」 「ひ、い、いや、だ……うああぁっ」  埋め込まれた肉杭がさらに深く入り込み、ジェレミーは悲鳴を上げた。  相手のことなど微塵も考えていないかのような動きに身体が軋み、呼吸が苦しくなる。  自分を犯している男――ニコラウスはそんなジェレミーを一切かまわず腰を振り、ひたすらに孔の感触を愉しんでいるようだった。 「ははは! なかなかいい具合じゃないか、この肉孔は……!」 「は、ああぁっ、ん、……いや、だめ……っ、いいっ」  きつく押さえつけられ、アルファにただ出し入れされるだけで発情期中の身体は濡れて悦ぶ。  まもなくジェレミーの頭のなかで明滅していた名前は霞んでいった。 「どうだ、アルファの雄は……よいのだろう? なあ?」 「ん、いいっ、ちが、違うの、ひぃ、ん……っ」 「まだ抗うか、淫売めが……素直に請うならばくれてやるぞ……アルファの子種だ、欲しいのだろう?」 「あ、ほし、欲しい……っ、気持ちいいの、くださいっ、……いや、あぁっ」  本能が理性を裏切ってゆく。  ぼろぼろと涙がこぼれてとまらない。  心と身体が引き裂かれるような痛みと同じくらいの快感がジェレミーを襲って、さらってゆく。 「そら、出すぞ……っ、存分にくれてやる、ありがたく思え――!」 「あ、だめ、あああぁ――っ」  どくりとナカでアルファの雄が脈打ち、注がれた。  ぎゅっと閉じた目蓋の裏が真っ白になり、ジェレミーの身体も絶頂を迎える。  たっぷりとなすりつけるように注がれて、全身がびくびくと戦慄いた。  おそろしいことに、熱はまだ治まりそうもなかった。 「手慰みにはちょうどいい孔だな」  侮蔑の言葉を吐いたニコラウスにも一度で終わらせる気はないようだった。  間を置かずに再び律動がはじまって、ジェレミーは泣きながらよだれをたらし、悦んだ。  もうそのころには、カシウスの名すら思い出せないくらいになっていて――。

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