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 惹かれていたのだろう。それも、もう後戻りができないほどに。  こうなってしまってはじめてそう認めることができた。  離れてみて、はじめて彼が自分にとってどれだけ大きな存在だったかを思い知らされた。  ――こんなに、好きになってたなんて。  失ってしまったものの大きさにいまさら気付いて、ジェレミーは嘆き、悲しみ、涙した。  兄がそんなふうに悲嘆に暮れる姿を生まれてはじめて目の当たりにした弟はたいそう心配し、なにかと気遣ってくれた。食事どきになっても部屋から出てこない兄へと食事を運び、控えめではあるけれどやさしさの伝わる声で呼びかけてもくれた。  自分が塞ぎ込んだままではまわりに心配をかけてしまう。そう気付いて仕事に復帰した。無理にでも違うことを考えてなければまいってしまいそうだったし、それでなくともひと月以上家の仕事を空けたままで迷惑をかけてしまっていた。両親も弟も気にするなと言ってくれたが、甘えるわけにはいかない。  仕事も再開したらしたで、気持ちもいくらかまぎれた。帳簿に向き合っているときはカシウスのことを思い出さなくて済んだし、商人たちとの商談や交流はいまでも楽しく思えた。

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