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 無茶なことはわかりきっている。危険だということも。  自分なんかが駆け付けたって役に立たないだろうし、カシウスだってうれしくないだろう。顔も見たくないかもしれない。  だけどどうしても会いたかった。  会って、誤解を解きたかった。  カシウスは、いまでも自分が手当たり次第に男を誘い込んだと思っているのだろうか? それを考えたら胸が引き裂かれそうになる。 「父さんごめん。俺、またちょっと家を空けるけど……いい?」  書斎のいた父のもとへ駆け込み、そう告げる。  そのひとことで父は察してくれたようだった。  ただ城の叛乱のこともすでに耳にしていたようで、苦渋の表情を浮かべている。  息子を愛する父親はしばらく悩んでいたがやがて頭を振り、「クラヴェルの商人なら手ぶらで帰ってくるんじゃないぞ」と力強い声で励ました。  そうして書棚の奥の隠し金庫から金貨の詰まった皮袋を取り出し、息子に手渡す。 「これはおまえが城で稼いできたぶんだ。手はつけてない」 「うん……でもちょっとなんか、増えてない?」 「気のせいだろう」 「父さん」 「なんだ、足りんか。そうだろうな、いやそうだと思ったんだが母さんが許してくれんでな……それ、これも足しにしろ。母さんには内緒だぞ」 「いや、父さん」 「あとこっちは軍資金だ、持ってけ」 「父さん?」

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