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 聞くところによるとルイーゼ妃はアルファ性らしく、家臣マスカールの娘をオメガの番としており、時折かの屋敷へ通っているらしい。  ニコラウス卿とルイーゼ妃はアルファ同士の婚姻で当初よりあまりうまくいっていなかったとのこと。ニコラウスは、いまでも王城内で自分より力を持つ妻の留守中を狙って叛乱を起こしたというわけだ。  姑息なことをしてくれる。ジェレミーは歯噛みしたい思いでマスカールの屋敷へ急いだ。  自分になにができるかまだわからない。なにもできないかもしれない。けれどとにかく動かずにはいられなかった。  呼ばれる感覚は、城下に入っていっそう強くなっている。  マスカールの屋敷では、蒼白な顔色のヴィドールが迎えてくれた。 「……カシウス殿下はいち早く異変に気付かれたようでな、ことが起きる寸前にわたしを逃がしてくださったのだ。マスカールの屋敷へ行き、姉君……ルイーゼ妃殿下に力を借りろと」  客間まで足早に歩きながらヴィドールはそう説明してくれた。  騎士たちがあわただしく廊下を行き来する。ただ、その数は決して多くない。ここにいるのはルイーゼ妃の庇護下にあるマスカールの騎士たちがほとんどだった。

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