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122.
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暗くなるのを待ち、ジェレミーは夜闇に乗じて王城内へと潜り込んだ。
世継ぎの君とその側近のみに代々伝えられるという脱出路を逆にたどり、城の片隅に出る。
そこから厨房へと向かい、貯蔵庫からワインを二本拝借した。以前城で酒宴を開いた際、ジャンからいろいろと話を聞いていたために準備は難なくできた。ジェレミーはワインの瓶とチーズを抱え、カシウスが幽閉されているという地下室へと向かう。
城内はニコラウス配下の騎士たちが警備していた。彼らはジェレミーの顔を知らない。身許がバレるおそれはないとわかっていても緊張した。どこへ行くんだと呼び止められるたびに冷や汗をかいたが、持ち前の度胸で無難にかわして先へと進んだ。
「おそれいります、ニコラウス閣下よりみなさまへ差し入れとのことで言いつかってまいりました」
地下室のまえまで到着し、そう言ってワインの瓶を掲げた。
扉を守る騎士がふたり、「おお、それはありがたい」と近づいてくる。ジェレミーはワインの瓶一本と布に包んだチーズを手渡すと極めて控えめに、「あのぅ……」と声をかけた。
「どうした、もう戻ってよいぞ。もう一本もそこに置いておけ」
「それがその、こちらのもう一本なんですが、これはカシウス殿下にお届けできないものかと思い、お持ちしたのですが……」
「なに? カシウス殿下にだと?」
「は、はい。殿下がここに入られてもう何日も経っております。せめてワインでも召し上がっていただけないかと城内の者たち皆で話し合いまして……どうかお許しいただけませんか」
「いかんいかん。そのようなもの――」
「まあまあ、いいじゃあないかワインくらい」
ジェレミーと話していた騎士とは別のもうひとりが割って入ってきた。
早速ワインを呷っていたその騎士は、ぐいと口元を拭うと片割れに酒瓶を差し出す。
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