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126.
――絶対に、助けてみせる。
カシウス救出のための策は、すでにヴィドールとともに練り上げていた。
地下室をあとにしたジェレミーはその後もいくつかの手筈を整えるために奔走した。すべてを終えたのは真夜中過ぎのことだった。
カシウスに伝えたとおり、決行は翌日、日の入りの刻。
ただしそれまでに味方が集まらなければ自分たちの戦いは非常にきびしいものとなるだろう。
自分でも大変なことを決断したと思う。誰にも相談せずにクラヴェルの名で国の一大事に介入するなんて。
これでカシウスが負け、ニコラウスが王位につくようなことになれば自分たちは逆賊の汚名を被ることになるかもしれないのに。
恐怖と緊張でどうにかなりそうだった。ひと気のない納屋に身を隠し、ジェレミーは震えながらひたすらにカシウスのことだけを想う。
食事はとれているのだろうか。睡眠は? あのような地下室では昼も夜もわからず、時間の感覚も狂ってしまう。体調を崩していたりはしないだろうか? いや、それより怪我を負ってはいまいか――……
考えれば考えるほどに不安が募った。
けれど暗闇のなか、肌身離さず懐に忍ばせた金貨を撫でれば、身体の震えが少しだけ治まった。
われながら図太いことだ。
でもこれが自分なのだ。あらためてジェレミーは思う。
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