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128.
地下へと階段を下りてゆく。昨夜と同じように門番のあとに続いてカシウスのいる部屋へ向かった。鼓動が速まる。
外の騒ぎは、もうこの地下まで響いてきていた。
「おい、出ろ。これから移動する」
門番がひと声かけて部屋の鍵を開けるのを、ジェレミーはかたわらで待った。
部屋の奥でゆらりと人影が揺れる。寝台から立ち上がったカシウスがゆっくりとこちらへと進み、鉄柵の扉をくぐる。
視線が合って、ぐっと唇を嚙みしめた。
まだだ。まだ、もう少し――地上に出て、ヴィドールと合流しないことには自分たちもそう大きくは動けない。下手に反撃に出て共倒れになることは避けねばならなかった。
ただこの場で、カシウス救出計画を知っているのは当然ジェレミーだけである。
昨夜の口パクのみでは具体的なことはなんら伝えられていない。日時だけでも充分だと踏んでそうしたわけだが、そういったこちらの予想は救出すべし本人によって裏切られた。
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